王様の耳はロバの耳

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『光る君へ』居貞親王の感想

NHK大河ドラマ『光る君へ』の居貞親王の感想をこの記事に追加していきます。



目次


 

2024/06/09 第23回

やっと……!!やっと居貞親王(のちの三条天皇)がお出ましになられましたね……!!!!!



オープニングで



   木 居
     貞
   村 親
     王
   達
 
   成



って単独クレジットで出た時は思わずたまちゃんのお父さんなみに心のシャッターを切りましたよね…………映える……凛々しいお名前が夕焼けに映えるわ………


⚫︎ 道長とのシーン

初手から居貞親王が敦明さまを抱っこしてワッショイしてるの最高じゃないですか!?なんと微笑ましく尊きお姿。半年間木村さんの演技が見れずに干されてたんでこの一瞬だけで満たされますね……敦明さまは特に泣いたりもしてないのでそんな揺らさなくてもと思うんですけど、定子様と姫皇子に会えない一条天皇のシーンのあとだと状況の対比が際立ちます。脚本の構成の妙ですね。
あと居貞親王の冠の後ろの長い部分、敦明さまをあやすたびにいい感じに揺れてるから猫がじゃれそう。ああいう動きのもの見たらすごい跳びますよね。ねこ。


先週の予告でも映ってた「私のことなど忘れたのかと思っておった」、誰に言ってるのかと思ってたら道長で焦りました。
嫌味なのか思ったこと全部言っちゃう系なのか……


道長「このところ雑事が多く、長く参上できずにおりました。お許しを」
居貞親王「・・・」
あっそこは無言でいらっしゃるのですね


「祝いを贈ってやれ。なんでもよい。叔父上に任せる」
うわーーーーここもまた「絹をたくさん贈ってやれ」と具体的に指示した一条天皇とは対照的ですね……いや一条天皇は自分の想い人に対してだからそりゃそうなんだけど……むしろ居貞親王も「産養にも事欠くと聞」いて気を回してくださってるのだからお優しい方ということなのかもだけど……あ、でもこの時まだ一条天皇16歳、居貞親王20歳なんですね!?お二人ともお若い……お若いのに気が利いてすごい(我が身を振り返りながら)




↑こちらのお写真から想像した人物像とはだいぶ違いました。もっと殊勝なお方かと思っていた。
23話にはこちらの座っているシーンはなかったですけど、公式インスタだと第二十三回の場面写真として紹介されてるんですよね。





もしかして座ってお話しするバージョンも撮っていたのでしょうか。相手が低いところから話しているのに立ったまま子どもをあやしながら片手間で対応する、というのとはまただいぶ印象が変わってきそうです。



娍子さま、「三歳にございます」お声が良い〜〜〜〜!!!!!美しいーーー!!!!
 


それにしても居貞親王を前にした道長、始終「家の鍵かけるの忘れたかも…」みたいな顔してて心配になりました。何、ひょっとして居貞親王もう嫌われてるの……?まだ即位もしてないうちから……!?
でも居貞親王、振る舞いと表情にパリピみたいな陽の圧があるので道長とすでにフィーリングが合わなそうではある。


居貞親王道長の甥ということなんですけど、叔父上に対して上からものを言う感じがこんなナチュラルに板についてるのすごいなと思いました。
ナチュラルに傲慢でナチュラルに気高くナチュラルに率直。
そういう人を演じさせたら、そしてそういう人が膝から崩れ落ちるさまを演じさせたら私の中で木村達成さんの右に出る者はいないんですけど、この先どうなりますかね……!?ていうか次はいつ出るんですかね……!?なるべく短いスパンで出てくれないとまた干からびるのでせめて1ヶ月に一度くらいは出てほしい……それ以上空くなら「#私のことなど忘れたのかと思っておった」ってポストします。



⚫︎ 晴明とのシーン
また立っとる。
じっと座っていない場面が続いたことで、活動的で前向き、積極性のあるお方なのかなという印象を受けました。そして野心も隠さず手段を選ばない。お兄様が花山院、お祖父様が兼家というのも納得です。



私は木村達成さんの布捌きが大好き(※)なのですが、今回も座る時に袖をバサァとやってくれたので満足です。


※ 参考 バサァ集






(こんな昔から同じようなこと何度も言ってるのか………こわ………)



悪役でもそうでなくても、話を盛り上げるためだけの物語の傀儡に魅力は感じないので、彼の信念がどこにあるのか、彼にとっての正義はなんなのか、それがお芝居で表現されたらいいなあと思います。
そしてドラマでは細切れになってしまうであろう三条天皇の人生に、ひとつの筋を通してくれることを願っています!!!



⚫︎ 今週の斉信さん
藤原斉信と居貞親王が同じシーンに映る日を延々と待機するだけのコーナー(コーナー?)です。
なぜそんなことになったのか、詳細は下記記事にて。

今週は斉信の出番なしということで、金田哲さんの感想会をご紹介します。



7:45からの松村さんの宣孝様の真似、喋り方が似ていてつい笑ってしまう。




⚫︎ その他
今期『光る君へ』『虎に翼』『アンメット』を観ているのですが、どの作品にも「書き記されたもの」の持つ力が描かれていて。清少納言から定子様へ、国から国民へ、今日の自分から明日の自分へ、その形なき想いが一定のルールに従って文字という形で紙に書き記される。それは媒体としての紙を介して相手の心の中に入り込み、また形なきものに変わってその琴線に触れる。
個人的になんと大きな可能性だろうと思うのは、その媒体の形ある限り、形なきものが時空を超えて他者の心の中で再現性を持つかもしれないということで、現に私たちは今、時代も場所も異なるにも関わらず、『枕草子』や『日本国憲法』としてそれらを享受することができている。
あまり深く考えたことはなかったですが、その凄さに圧倒されるというか、たとえば音楽の「楽譜」や料理の「レシピ」なんかも同じような「永続的に再現性を担保するための手段」なんだなと思うと、え、「書き記す」って永遠を生むことじゃんみたいな、ものすごいことのように感じたりするのでした。
いや、でも枕草子の場合はその今現在 万人の心の中にインストールされている“それ”が、はじめはたった一人の心の安寧を願って書かれたものであった……というストーリーが千年後に映像で提供されたことがまた尊いのよな!!!!!!!高畑充希さんのお声とファーストサマーウイカさんの表情が本当に良すぎる。
考えたらお芝居なんて「さらにさらに心の中の形なきものを現実世界で再現させる」んだからすごすぎるな……我々は永遠のかけらを目撃してるんや……(?)


紫式部はどのように「書き記す」のか、居貞親王はどんな人物として描かれるのか、それと藤原斉信と居貞親王が同じシーンに映る日は来るのか、気になることがいっぱいです。
そんで結局、周明さんはどっちなのよ……!!いい人なの悪い人なのどっちなの……!?
来週も楽しみです。