王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

『スリル・ミー』ゲネプロダイジェスト感想

<前回までのあらすじ>
スリルミーのチケット戦争に全敗したわたし。
ホリプロさん、配信お願いします……!!







……という状況だったのですが、なんとか注釈付席のチケットが取れまして、昨日9/20にルンルンと池袋へ足を運んだところ、中止が発表されました。
体調を崩された方は回復されたとのこと、本当に良かったです。でも昨日の今日なので心配な気持ちもあり……どうかご無理なく今後の公演の幕が上がりますよう、お祈り申し上げます。



今回これが唯一のチケットだったのでしばらく悲しみに暮れていましたが、だんだん冷静になってきて、ふととある疑問が浮かびました。
「え…わたし『スリル・ミー(未)』のまま終わるの…?」
噂に聞いてはいたものの、まだ観たことがなかったスリル・ミー。
絶対にハマりそうな気がするスリル・ミー。
今回好きな役者さんで観られることになって飛び上がって喜んだスリル・ミー。
ネタバレを避けたくてなんの予習もしてないスリル・ミー。
このままじゃ何も知らずに終わるスリル・ミー。
「そんなの嫌…!!」




ということで思い切ってミリしらでゲネプロダイジェストを観たので感想を書きます。
本編が観られないのは残念ですが、ダイジェストだけでも観られてよかった。
私=木村さん、彼=前田さん、わたし=筆者 です。









⚫︎ 1曲目

歌ってるーーーーっっっっ
木村さんが歌ってるーーーーーーーっっっっ!!!
わたしが最後に劇場で木村さんを見たマチルダから5ヶ月くらい経ってるしマチルダの校長はメイクがすごかったので素顔に近い木村さんが歌っているというだけで新鮮に感じてしまう。
あとストレートプレイの歌わない木村さんが自分の中で定着してきたこともあってミュージカルに出た時に毎回「歌うの!?」ってびっくりできてすごく良い。


前田公輝さんと木村達成さんの歌声、親和性が高くないですか…!?こんな二人の歌が100分聴けるとか何それ幸せすぎない!?しかし舞台上はすごく不穏な空気ではある。


3ペアのダイジェストを見比べるとこの曲はこのペアが一番テンポが速い気がするのもドキドキします。落合さんのピアノも含めて歌の聴き比べしたい…!!


⚫︎ 2曲目

2人とも足が5mある



⚫︎ 3曲目

「僕たちの♪」のとこ好きすぎる!!!!!
やっぱり突き抜けるような高音好きだなー。
猫背な私、今までの役とはまた違う朴訥とした歩き方で、見た目の印象からも役がよく練られているんだなあと毎度のことながら感心する。
そして前田さんの歩き方もまた悠然としていてそれだけで彼の性格を窺わせる。
このお二人の背格好が似ているのすごく示唆的で文学的だなあー!!!



⚫︎ 4曲目

芝居歌がうめえ
ここまで見せておいてスリル・ミーの意味もわからずに終わるなんてそんな殺生なことあるはずがないのでホリプロさんは配信してくださいお願いします


⚫︎ 5曲目

彼が来た時に私が小瓶よりもまず彼の目を見て顔をクシャッとさせて泣きつきそうになるじゃないですか、これこれこれ〜!!!!わたしが見たいのこれ〜!!!!!と思いました。
一見つよつよな木村さんからこういうお芝居が出てくるところが好きなんですよね………たぶんこの小瓶は私にとって何か重要なものだと思うんですけど、それが目に入る前に彼の顔がまず見えて「ああ、」と感情を動かす瞬間があって、でも彼は目を逸らす、その彼の目線を追ったら小瓶が……という一連の流れがすごく細かくて最高だなと思うんですよね……好きです……何よりこれは前田さんの彼のお芝居とカチッとはまった結果だと思うので……ホリプロさん前田さんのペアに木村さんを選んでくださってありがとうございます……今日ホリプロさんにばっかり呼びかけているな……



⚫︎ 6曲目

彼がめちゃくちゃいい表情してますね……でも本編で見ないとどんなシーンかよくわからないですね(それは全部そう)
ただ、振り付けまではいかないけど音楽に合わせた動きですごく演劇的だなあと思う、もっと見たい。
私栗山さんの演出作品で木村さんのお芝居を観てみたかったんですよね……木村さんを追いかけているといろんな演出家さんの作品に連れて行ってくれるので本当に楽しいです。





ダイジェストだけでも楽しめました。
これを休憩なし100分って濃密すぎない…?
演者さんも観客の皆さんも本当にすごい。



5曲目をみていて思い出したんですけど、
2020年のプロデューサーズの感想でこんなことを書いていて……………長いですがそのまま転載します。



あと、あれですね…大樹的な存在に寄り添い立つ木村さんの演技の良さ みたいなものを再発見してしまいましたね……テニミュ海堂(→乾先輩)に始まり、ナルトの薬師カブト(→大蛇丸)(ちょっと性質が違うけど)、ハイキューの影山(→日向)、そしてカルメン(→ロジャー)の系譜。弱虫ペダルの今泉くんも近い感じがあるかな……どの役も好戦的で勝気な見た目だから無闇に人とつるんだりしなそうで「犬か猫かで言ったら豹」みたいなとこあるのに、大樹のような絶対的存在を見つけたときのその献身的な行動のギャップに驚かされるっていう。その驚きって木村さんの表情に端を発してて、「入れあげてる」時の顔がめちゃくちゃわかりやすくてすごいんですよね……(これは銀河鉄道のカムパネルラに対するジョバンニの顔でも思った)
なんかいいなあって思いました。


「入れあげる」って本当は「好きなもののために分別を欠いて多くの『金銭』をつぎ込む」という意味なんですが、金銭ではなくても何か大事なものをつぎ込んでしまっているような状態のお芝居が木村さんはすごく上手いなあと思っていて、
スリルミーではそれを観られるんじゃないか、と思いました。
これを観ずにいられるか!?!!!!!!!?
スケジュールの調整がついたら当日券チャレンジしたいです。