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王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

ハイステ感想メモ

演劇ハイキュー!!好きなシーンメモ。ネタバレあり。初演はDVD、再演はライビュ。
ライビュおすすめ記事と一部内容重複してます。
 
オープニング
オープニング最高ですよね!?!!?
キャラクターの再現度が高いので、これもし万が一舞台で後ろに原作のキャラたちが映ってなかったら、絶対比較動画作りたくなるやつ。公式でやってくれて本当に良かった。
これ見てると、漫画家の末次由紀さんがPerfumeのジャケットを描いたときに「漫画と言ったら集中線とコマ割り」とおっしゃっていたのを思い出しますね。
集中線、コマ割り、あと、吹き出し。
背景の圧倒的な漫画力!漫画いいなぁ!!
で、それに生身の人間が演じているキャラクターをぶつけてくるその姿勢がすごい。堂々と原作の絵と並ぶなんて、真っ向から対峙しているという自信がなければできないことですよね。
 
それにしても、この音楽の良さは一体何事か。
作曲は和田俊輔さん。オープニングの曲はどういうイメージで書いたのかなあとずっと考えてたんですが。もう本当に演劇ハイキューにピッタリなんですけど、原作の雰囲気からぱっとこういう路線を思いつくかというとそうではないというか、極力感情表現を抑えた、シチュエーションを限定しないすごく汎用性のある曲に感じたんですよね。だからこそ聴いている側に想像の余地があり、余計に感情が煽られるのだと思うのですが。
そんな空気感のところ原作にあったかなぁとページをめくっていたら、まさに同じ印象を受けたところがひとつ。
コミック9巻、仁花ちゃんが作ったポスターです。
小さな巨人”、再来。
烏、再び全国の空へ。
あーここだ、この景色に、この音楽は重なる。
感服しました。
ポスターの主人公の、日向の表情はここからは見えないけれど、観ている側は彼が飛ぶその瞬間をまるでスローモーションのように目に焼き付けて、そこに何かしらの気持ちを投影して見守っている。
「飛んだ…!」と感じたところから、着地するまでのほんの一瞬を切り取った音楽なんだなって思いましたよね。飛べない人であればあるほど、観ている側はその思いを彼に託すっていう…どっちかっつーと日向を観ている人の心象風景なのかも。日向や烏野メンバーを観ている武田先生がポエミーになるのわかるなぁ。
 
オープニングのこの曲だけでも、この舞台が原作の根幹をとらえくれてるのではないかという予感がしました。そしてそれは、多分間違いじゃなかったと思います。
 
しっかし、音楽に乗って名前と原作絵が映るだけでこんなに胸熱なんだなって思いましたよね。キャラクターの名前の文字列が映っているだけなのに、なんでこんなにグッとくるんですかね。何が見えてるんだろう私。
特に好きなのが、月島が歩いてて山口が後ろから手を振って追いかけてくるところ。ちょっとだけ曲調変わるの。あそこに月島持ってきた人と本当に握手したい。そうなんだよーーー、あの曲調は「今はまだいまいち敵か味方かわからないけどいつかフィーチャーされる感がある冷めた感じのサブキャラクター」に合わせる曲調だよねーーーーー!!!この曲ってまぎれもなく演劇ハイキューのための曲なんですが、そこに特化しているわけではないから何にでも合うと思っていて、たとえばアンパンマンのキャラクターたちをこの曲に合わせても多分泣ける。で月島のところは絶対にロールパンナちゃんにする。コナンだったら?そう、灰原哀ですよね。
しかもここ後ろの映像が縦に流れてさーー、映写機の音カラカラ鳴らすの、それ反則だよね!!考えたの誰なの!!最高!!
 
オープニングだけじゃなく全体的に、再演は繋がりと余韻が大事にされてて、進化してる感あったなー。
 
 
 
コート上の王様
オープニングより前に戻りますが、コート上の王様こと影山の登場シーンは、音楽・照明・衣装・効果音・演出・影山のバサァッから上げた顔、もう全部が全部出来すぎててこわい。初めてここの影山の顔見た時はマジで衝撃でしたよねー。巻き戻して見るでしょ。これ。絶対。影山まじ影山すぎてそれだけでも目を疑うのに、演出も音楽も外してないって奇跡。運命の邂逅とすら思ったよね。こわいわー、2.5次元。
 
 
二枚でとめるぞ!
初演が初舞台だった小坂涼太郎さん、再演でたまに会う友達の子供かってくらい成長してて驚いたよね。それを顕著に感じたのがこの台詞のところ。初演ではひとりでワタワタしてるみたいになってたけど、再演は台詞回しも動きもよくて何が起きてるのかわかりやすくなってた。彼は自分がやったことを本に纏めて、指導者がいない高校演劇部向けに売り出してあげてほしい。
あと山口がもう可愛くて仕方なくてさーーー、しかも舞台をおりたら小坂さん&三浦海里さんの関係性はツッキー&山口とは逆だって言うじゃん!?何ソレ!?何その世界線!!まじ見たいんですけど…ドキュメンタリーDVD買うから、入れてください…!私服エグザイルピーポーであることを微塵も感じさせずに山口を演じた三浦海里さんには、2.5次元という世界において無限の可能性を感じる。彼は声が少年漫画なんだ。
 
 
プライド見せろ!
ハイキューは少年向けスポーツ漫画にしてはあまり男くさくなくて、そこがいいところでもあると思うんですが、そんな中での再演の岩ちゃんのこれはちょっと空気変わったしマジでカッコよかった。青葉城西メンバーみんなよかったなぁ。白子の時も、最初ただの誰かだったのが、名前が分かって顔が判別できるようになったら私の目に見えてる舞台上の風景にどんどん深みが増していきましたよね。。
 
 
及川さんのジャンプサーブ
圧倒的にフォームが綺麗でジャンプも高くて、1発目から度肝を抜かれました。遊馬晃祐さんがバレー経験者と知って納得。遊馬さんのフォームや他の舞台だけど佃井皆美さんのアクションとか見ちゃうとやっぱり本物の一芸って観てる人を感動させるんだなあと思ってしまう。個人的には、本当にはできないのにやっていると感じさせる表現も、本物と同じくらい尊いと思ってるんですが。
遊馬さん、及川さん役だったからかもしれないけどなんか底が知れない感じがしますね。
 
ここにいるぞ!
影山役の木村達成さんのモノローグが好きなんですが、再演は初演より演出も台詞回しも抑揚がついてましたよね。ここだけじゃなくて、全体的に影山が感情を少し強めに出していたように感じたのですが、私はどちらかというと抑えめの初演の方が原作の影山に近いような気がして好きです。(単純に好みの話)
でも、ここのシーンは、再演の方が深く影山が影に沈み込んだ分、飛び込んできた日向の光が強く見えたなぁ。影山が日向に引っ張りあげられるマイムもいいですよね。
その日向役の須賀健太くん。V6ファンの私の中では「(森田)剛くんを兄のように慕ってくれるかわいい子」というイメージだったのですが、こんなに頼もしい役者さんだったんですねー。DVDの特典映像で大人組の方々が話していたエピソード、21歳でそんなにしっかり座長でいられるのかとびっくり。芸歴が長いから、だけじゃないんだろうなあ。
舞台上の彼の、ハイキューが、日向が、みんなが、ここが大好きだ!!!っていう思いがホンットどっかの少年漫画みたいに目に見えるようで、こんな座長に巡り会えた作品やカンパニーは幸せだなあと思いましたよね、、、
好きなことを仕事にするって、全然楽じゃないから、それをこんなに楽しそうにやって見せてくれる須賀くんの姿はきっとまわりの俳優さんたちにもなにかしらの影響を与えたんだろうなぁ。
 
 
ひとつきブランクあってこれかよ
木村達成さんの声って、別に高いわけでも細いわけでもないのに、ガヤでも耳をつんざくように入ってきてすごい。あれなんなんだろう?台詞回しの鋭さかな?すごく不思議。そこが影山のツンケンしてるんだけど意外と喋ってるところによく合ってた。
 
 
だからもう一回トスを呼んでくれ、エース
ノヤっさんって烏野メンバーの中では一番体現しにくい造形だと思ってたので、橋本祥平さんのノヤ顔見た時まじ菩薩顔にならざるを得なかった。2.5次元最高やで…。舞台のノヤっさんは若干ノドが弱そうな印象を受けたので、だからこそこのシーンの絶叫は逆に心からの叫びって感じがしてよかった。もう少し安定感のある声だったらこの悲痛さはでなかっただろうな。ノヤさんのめっちゃ漢なのに「旭さんが出ないなら試合には出たくない」とかいう繊細なところが声に出てるみたいだった。
 
 
エースが待ってる トスを呼んでる
音楽止まって旭さんの雄叫びからの「もう一本!!!」で大音量でオープニングの主旋律入ってくるの卑怯すぎでしょう!!!いやほんとここで使わずにいつ使うのって感じですよね最高!!ほんといい曲だなあ。
それを受けてのこの台詞、スガさんだからパワーで押したりはしないんだけど、その分血が滲むような、思いのこもった渾身の演技だったなあ。上向いて言わなきゃいけないから声出にくそうなのに全然そんなことなくて。トスの最後に右手が残るのが、祈りをボールに託しているようで美しい。
猪野広樹さんは声がめちゃくちゃ私の中の原作のスガさんそのものだった。こういう声でこういう雰囲気の人って学年に一人くらいの頻度で存在してると思うんだけど、役者さんでは意外と少ないんですよね。引っ込み思案オーラまとってるのに舞台に上がるって矛盾が、スガさんの表裏一体の弱さと強さにも重なってなんか嬉しい。
 
 
打ち切ってこそエース
冨森ジャスティンさんはほんとによくこの台詞を言い切ったよなあと思う。
それこそバレーボールじゃないけど、旭さんのこの台詞は今回の公演を決める最後の1点みたいなもんで、いくらノヤっさんがローリングサンダーを綺麗に決めても、いくらスガさんが最高のトスをあげても、この一言が決まらなかったらぜんっぶ台無しなんだよね。
しかもここは旭さんのモノローグに見せかけてコート上の仲間たちと観客全員の強い願いでもあるから、外したらもう目も当てられない。コートのネットに文字出ちゃってるし。
だけどジャスティンさんは台詞に負けるどころか、さらに力をもたせて言い切れる、まじカッコいいエースだった。痺れた…。
 
 
俺が居ればお前は最強だ
だからここで低音から音楽入るのずるいって!
あとDVD見返してて思ったのは、この音楽の入りと同時に日向の周りの役者さんも動き出すんですよね。日向の心の動揺を表現するために使える駒は日向を演じる役者だけじゃないんだってあらためて気づかされました。白子のところはそれが顕著なので、わかってたことなんですけど。
それでここからの影山の長台詞がほんとに好きすぎる。アニメより感情的なんですが(たぶん構成が違うせいもあると思うけど) 、すごく舞台らしい、演劇らしい演技だなあって。でも漫画の方をもう一度読んでみたら原作の影山は結構これに近いテンションでぶつかってた。ゼェゼェ言ってるし。ここで説得力持たせられないと次の日向の台詞に違和感が生じるからほんとに大切なトスなんだけど、自然に繋がってて素直にその台詞力すげぇなあって思いました。
「打ち切ってこそエース」の次に来る見せ場で、しかもセッターのトスからのスパイク、音楽も同じテーマが使われてる、って構図的にだいたい同じような流れをたどっちゃってるので、下手したら絶対見劣りするんだけど、うまいこと対比になってたなあ。
この台詞、再演配信版のしぼりだすみたいな言い方、最高でした。
 
 
思わない
実は、初演から一番進化してると思ったのが主演の須賀さん演じる日向です。台詞は声を出して言うものだけど、台詞に、声がのってるみたいに感じるところがあって。自分でも何言ってるかわからないけど台詞の前に思いがあるんだって思ったよね!!!伝えたい思いがあるからどうしても声が出るんだって!!!
 
 
そんな嶋田、きらいじゃないでしょ
嶋田マートは今回のハイキューで一番ずるかった。好き。 
ていうかこの言葉、そんなキラーコンテンツじゃないと思うんですけど、なんかすごい言霊持ってたなぁ。それにしても、大人組の皆さんの出過ぎない感じ、よかった。あんな若い子たち見てたら自分も全力で行きたくなっちゃうだろうけど、抑えて余力を残してくれて本当に助かった。観客が疲れちゃう。
そういう意味でもう一人舞台のバランスをとってたのが縁下役の川原一馬さんだったと思うんですが、彼は烏野メンバーでもあるから難しかっただろうなぁ。あそこまで変える必要があったかな?っていうのはあった。でも彼の存在は技術的な意味でまさに縁の下の力持ちだったし、こういう人がいないとカンパニーってまとまらなかったりするんですよね…!!縁下が活躍する場面まで、川原さんであってほしいなぁ。
 
町内会戦最後のポージング
ここも漫画やアニメでは出来ない、舞台だからこその表現方法で、個人的にはここの演出はハイキューの根幹にハマったなーと思ってます。私の中で会心の出来。 
初演DVDの座談会で、澤村大地役の田中啓太さんが「自分が一番最初にレシーブするから皆がだんだん集まってくるのが見える」というようなことをおっしゃってたのが印象的で。再演を見ていて、今回の澤村大地役の秋沢健太朗さんはどんな思いでその景色を見ているんだろう、と彼の心中に思いを馳せずにはいられなかったです。
個人的には初演の田中さんの半端ない安定感が好きだったので、秋沢さんには少し物足りなさも感じました。だけど、だからこそ彼に強く感情移入してしまった。ある程度出来上がったカンパニーにあとから、それもキャプテン役で入るって、どんなに大きなプレッシャーだっただろう。
そんな彼が途中、「絶対に、みんなを全国に連れて行こう!」と言った時の、他の役者さんと会場の雰囲気。ふっと和らいで、少し浮き足立ったように感じました。あれはきっとアドリブだったんですよね?秋沢さんの演じる大地さんが、受け入れられてるんだっていう何よりの証拠を見れたようで 、嬉しかったなあ。
林剛史さんも言ってたけど、最後の円陣で彼が声を上げるのは、劇団ハイキューとして何よりも意味があった気がする。人が変わっても、カンパニーは崩れたりしない。と、言うのは簡単だけど、これを実現するのって本当に難しいことなんだよね。
 
 
どーもぉ、ご無沙汰してまーす!!!
↑のポージングでの田中先輩の台詞。
塩田康平さん、今回の公演のMVPだと思ってます。初演の時は田中先輩すごいわー、存在がまんまだわーーー、声枯れないのすごいわーーーー、と思ってたけど、再演を見ていたら舞台上の熱量の三分の一は彼が声と全身を使って発してるガヤガヤ感とその乱反射によるものだと気づきましたね。。。こういう役柄って一歩間違えば完全にうるさい鬱陶しいキャラになっちゃうんですが、「ご無沙汰」がきちんとご無沙汰に感じられる通り、塩田さんはひくべきところの見極めもうまい。すごいなぁ。若くて未熟な子たちがやっている舞台は多々あれど、ただ若さがあふれてるのと、それをエネルギーとしてきちんと客席に向かって放出するのとでは全く違うんですよね。
 
 
僕が影山なんで
カーテンコールで木村達成さんが言い放った言葉です。
不遜…!
「今回は自分の体に嘘をつかない芝居をするということを自分の中のテーマにしてて。(略)影山のことそんなに考えてないんですよ。なんでかっていうと僕が影山なんで」みたいな感じだったかな…うろ覚えなので正確じゃないです。
個人的には、初演の方が喋り方も表情も原作の影山のイメージに近かったと思うんですよ。 口をとがらせたときの顔とか。もっというと、再演はキャラクターが揺らぐところがあって、一貫性がなかった。「影山ってそんなとこで笑うか?」みたいなとこもあったし。
なんだけど、高校生らしく、人として生々しく見えたのは、再演の方。
最後に彼が言ったこの言葉で、これは原作の影山じゃないけど、木村さんが演じる影山はこうなんだなって、受け入れざるを得なかったです。
どこかで読んだ木村さん(もしかしたら違う役者さんだったかも、自信なくなってきた)のインタビューでは「いかに役に近づけるかが大事」という主旨のことを言ってて、2.5次元ならではの役作りだなーって思ってたんですけど、今回の影山の役作りはちょっとちがうアプローチが取られてたんだなぁと。確かに僕が影山なんで、って、近づくべき正解を外側に意識してる人がわざわざ言うことじゃないですよね。ましてや、「正解になりきれた」と慢心している人から出てくるニュアンスの言葉でもない。自分の中に正解を求めてたのかなぁ。あるひとつの役をやるのに演者のパーソナリティが反映されるのは当然というか、そうすべき役の方が多いんだと思うんだけど、2.5次元舞台でこのアプローチが正しいのかどうかは、よくわからない。
ただ面白いことに、こういうこと言っちゃう木村さんの姿勢は、誰よりも影山らしくて良かった。
 
 
日向はとんだのか
余談ですが、漫画ではどうしても表現が限られるスピード感や高さが、アニメでは実際に対象やアングルを実際に動かしてよりわかりやすく補強されていたので、ハイキューはアニメーションという表現手段との親和性がすこぶる高い作品なんだなあと感じていて、
それに比べてコレ舞台ではどうするんだろうと思っていました。動きやスピードそのものの再現はできない。生身の人間であるというハンデを背負った俳優の身体と、その他の要素を使って何をどう表現するのか。
結果、漫画アニメでは表現しにくい、人の熱量というものがダイレクトに渡されて、あーそっかぁ、演劇ってこういう強みがあるんだなぁと思わされました。
個人的には今はまだ日向の速さや、高さを表現しきれてないような気がしているので、次回公演がとても楽しみです。
 
 
 
 
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