王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

『光る君へ』ただひたすら三条天皇と中の人(木村達成さん)について語るブログ

大河ドラマ『光る君へ』の三条天皇とその中の人である木村達成さんについて、しがない木村さんのファンがひたすら語るだけの記事です。


居貞親王時代(第39回まで)の感想はこちら
※ 特に連続性はないので読まなくて大丈夫です。





目次


 

2014/10/20 第40回 「君を置きて」


⚫︎ 「帝はそれほどお悪いのか」
これを言うとき斜め前に身体を傾けるのが興味津々って感じで非言語的にも饒舌なんですよね。身体中から野心が溢れているように感じるのは目線や仕草などで表現しているせいなんだろうな。あとグイーンと寄ってくカメラワークもめっちゃ効果的。


⚫︎ 「(目だけで見下ろして)左大臣
ここはウワーッと思いました。「叔父上」から「左大臣」に呼び方が変わったのは、野心も驕りももう何も隠す必要がないという気持ちの表れだと……天皇という立場が、「野心」でも「驕り」でもない現実となるのだとここで確信したのだなと思いました。


⚫︎ 「妍子の顔でも見て帰れ」
もうだいぶヒール然としたお顔になっていますね…!!悪そう。言ってること全然普通なのに。


⚫︎ 妍子さま(倉沢杏菜さん)
ドキンちゃんのキャラソンみたいな生き方で好きなんですけど、なんかこう、どうしてこうなっているのかを考えると切ないなあと思います。
道長の妍子さま自身への興味のなさがすごい。


⚫︎ 「御病の由、心よりご案じ申し上げます」
顔、ちょっとわろてるわろてる……


⚫︎ 一条天皇東宮は敦成といたす」
これを聞いた時の居貞親王の顔!!
わろてるかわろてないかわからないくらいの微妙な目元の喜色がスッ…と消えて真顔に戻り、咬筋がピクッと動く。ほんの一瞬だけど、居貞親王が動揺したのがわかる。
私、ドラマ『オールドファッションカップケーキ』の時も思ったんですけど、普段 舞台上から3階席のお客さんにまで伝わるようにお芝居をしている木村さんが、どうしてこんな僅かな表情の変化を演じられるんだろう!?と不思議で仕方ないんですよね。なんかもっと大きな演技になったりとかしそうなものなのに……


⚫︎ 娍子さま(朝倉あきさん)


娍子さま、お声が美しくて福々しくて本当に好きです……居貞親王36歳、娍子さまは4歳年上でいらっしゃるとのことなんですけど、落ち着いたお声のその包み込まれるような心地良さに、娍子さまを大事にする居貞親王のお気持ちがよくわかる……と思いました。


⚫︎ ナレーション「三条天皇の御代となり」
推しが践祚
ってなかなかない経験のような気がするので、貴重なシーンを目撃させていただきました。


⚫︎ 天皇の作画
一条天皇の作画は惣領冬実先生、三条天皇の作画はCLAMP先生のようだな……と思いました。種類の異なるお美しさ。


⚫︎ 君かたり

できるだけ明るく楽しく元気よくみたいな、そういう感じでは三条天皇としてやっていきたいですね

そんなゆかいなサザエさんみたいなシーンあった!?と思ったけど、そうか、木村さんの中で三条天皇はそういうキャラなのかと興味深かったです。確かに、東宮時代から陽の圧がありましたもんね。カットされたシーンとかもあったのかな。
大鏡』によれば三条天皇は親しみやすく穏やかな性格だとのことで、そういうのも念頭においた役作りなのかなと思いました。娍子さまの前では気丈に振る舞っていらっしゃいますものね、、、


⚫︎ をしへて!風俗考証 佐多芳彦 さん

居貞親王が着ているのは、黄丹(おうに)の袍(ほう)です。黄丹は禁色(きんじき)の一つで、東宮の袍の色になります。
をしへて! 佐多芳彦さん ~居貞親王の後ろの人が下襲の裾を持っているのはなぜ? - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHKより)

天皇の晴(はれ)の儀式の袍色である「黄櫨染(こうろぜん)」 
をしへて! 佐多芳彦さん ~自由に色が使えない? 禁色って何 - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHKより)

木村さんはこの回だけで東宮の「黄丹袍」と天皇の「黄櫨染御袍」の両方をお召しになったということですね……………衣装の使い方が贅沢だし、その分所作なども大変そうですね…………………なんか無関係者なのにそのプレッシャーに負けそう。考えただけでお腹が痛くなってきた。全然練習してないのにピアノの発表会当日を迎える夢見そう。



2024/10/27 第41回「揺らぎ」


⚫︎ ナレーション「亡き一条天皇の四十九日にあたる8月11日、三条天皇は内裏に入った」
いた!!いた!!藤原斉信金田哲さん)いた!!!
木村さんと金田さんが同じシーンにおさまる日を待っていました。
経緯はこちら。

金田さん、相変わらず平安の時代に完全に馴染んでいて素晴らしいです。これからも応援しています。


ところで劇伴が完全に悪者パートですが、三条天皇もこの音楽に負けないドヤリ顔なので申し分ないですね。
でもこのお顔、ご本人的には悪巧みのお顔じゃなくて「やっとここまで来たか…!!」の感慨深げなお顔とかなのかも。


⚫︎ 「その代わり 朕の願いを ひとつ聞け」
あれ?一句読んだみたいになってる?
いやそんな話じゃなくて、「その代わり」の語気の強め方をはじめとした人を意のままに操るための抑揚の付け方、溢れ出る自信、高貴さと野心と君主としての厳然たる居住まい、それらが思った以上に表現されていてすごいなーと思いました。
木村さん、今までは年相応や実年齢よりもっと若い役が多かった印象で、しかもどちらかといえば直情型の人物をよく演じているイメージがあったので、1993年生まれ30歳の今、6歳も年上の役の威厳とか老獪さみたいなものを見せつけている姿があまり想像できなかったのですが、実際見てみたら想像以上にハマっていて。
こんなに落ち着いて人を翻弄するような姿あんまり見たことがなかったので、一体なぜこの役にキャスティングされたのか、とっても気になっています。
事務所のプッシュがあったとしても、「わかりました、じゃあ天皇役で!👍」とはならんじゃないですか知らんけど。そんな軽いノリで決めていい役じゃなさそうというか……もちろん、それをいったらすべての役がそうですけど。
舞台でそういう役の経験が豊富ならともかく、いや確かに皇太子とか王子とか高貴な役をよくやってはいたんですけど、実際即位までいったことは多分ないので、何きっかけで天皇という立場の役にキャスティングされたのか、その舞台裏をもしいつか知ることができたら嬉しいです、、、、


⚫︎ 娍子さま「そこまで!!」
すべて自分の息子のせいということにして頭を下げるとは、機転のきいた強く美しいお方ですね……またも三条天皇のお気持ちがわかる……
全然関係ないですけど「せいということに」って「いとうせいこう」に似ていますね。ほんとどうでもいい話ですが。


⚫︎ 三条天皇が喋っている時
いい声ー、喋るスピードの加速減速がうまいー、抑揚と音量の操り方がうまいー。
道長に丸め込まれないよう積極的に仕掛けていく姿勢が話し方に表れていて面白いです。
木村三条天皇、交渉術と話術が巧み。政の才が伴っていたらどうだっただろうと思わせる。


⚫︎ 天皇としてのお姿


凛々しくてかっこいいですね……こんなにお髭が似合うとは。


⚫︎ インタビュー


このインタビューの中で個人的に好きなのがここです。

――三条天皇が目指した政は、どのようなものだったと思いますか。

良き天皇でありたいと考え、民のことも大切に思われていたと思いますが、三条天皇は長年堪(た)え忍んできましたので、“自分の周りにいる人たちに幸せを届けたい”という思いを特に抱いていたと思います。それは、これまで一番近くで支え続けてくれた娍子や、息子の敦明親王ら家族だけではなく、東宮大夫を務めてくれた道綱など、お世話になっている人たち皆に対して考えていた気がします。


私、木村三条天皇と柄本道長が対立するとなった時、三条天皇側が語り得る大義名分とは何か?
というのを、居貞親王の頃からずっと考えていたんですけど。
道長には「民のため」という正義があると思うんですけど、二人とも民のことを一番に考えているなら対立が起きているようには見えにくい。じゃあ三条天皇に残された正義、モチベーションってなんだろう?と。
そのひとつの答えがここにあって。
“自分の周りにいる人たちに幸せを届けたい”
天皇を演じるにあたって、そんなミクロな正義を見出したのか!!と、すごく面白かったです。
確かに、実際脚本に出てくる三条天皇の台詞を追っていくと、娍子を皇后としたいとか、誰々を何々にしたいみたいな人事の話ばかりで、それ以外は「よしなに」みたいな感じなんですよね。
一条天皇のように、民の苦しみに寄り添おうと薄着で過ごしたなどの具体的な行動は、今のところ特に描かれてはいない。
それでも民のために親政を!という尊い動機を持った天皇像を追いかけるのではなく、「自分の周りの人たちのため」というささやかな、でも一般市民の私たちにも共感できる動機に着地したというのは、すごくなるほどなあと思いました。
結果、「三条天皇は、道長と反目してはいるが長年連れ添った妻など身内の者を大切にしようとしているだけ」という、現代の価値観でもわかりやすいナラティブが生まれた。
道長三条天皇の対立を横から眺めるのにはちょうどいい二つの正義になったなあと思います。
(ただ、道長も「民のため」という大義名分を持ちながら、その実態はわりとふわふわしているというのが第43回の実資との問答で明らかになりましたよね。それを暴いた次の回に「この世をば」が来るのはまたこれ鋭利な脚本だなー!!と思います)
ちなみに実際の三条天皇は現代に血筋の続く実在の人物でいらっしゃるため、「良き天皇でありたいと考え、民のことも大切に思われていたと思いますが」という大前提をきちんとおくことを忘れていないのが木村さんらしいなと感じました。役を過剰に私物化しない、というのも個人的に木村さんの好きなところです。



2024/11/3 第42回「川辺の誓い」

⚫︎ 「それでも朕は……娍子を皇后としたい」
この「それでも」の言い方なに!!!!
憎たらしいですねー、いい塩梅すぎる。


⚫︎ 道長「できませぬ」
この道長の本気とわからせるための最小限の声の張りと、それを受けた三条天皇次の一手、静かなる丁々発止って感じで燃えますね……


⚫︎ 「ならば時をずらそう」

ネットニュースになる主上


⚫︎ 「……!!……!!」
実資に引き受けてもらえた時の主上、めっちゃ嬉しそうにほっとしたお顔なさるじゃん……そのギャップ、好きになっちゃうじゃん……


⚫︎ 娍子さまごめんなさい
宴の娍子さまが可哀想で、、、無関係だけど謝りたくなってしまう。娍子さまごめんなさい。


⚫︎ 年寄り
最初ガイドブックのインタビューで「年寄り」と言われると知った時、ええ…!?そんなお年寄り感出せる…!?まだ30なのに…!?と思ったんですが、喋り方に(18歳年下の女性から)お年寄りと言われても違和感ない感じが出てますね……!!


⚫︎ 「石が飛んできただけでも祟りがあるらしい しっかりと祓ってもらうがよい」
いい顔してるーー!!!!!
むかつくーー!!!www


⚫︎ (扇でお顔を隠したまま)「……」
なんも言ってないけど、目元の表情だけでこの勝負は1勝1敗痛み分け、って感じなのが伝わるのすごい。


⚫︎ 「(辞表を)返したくないがのう……」
ここ、口元がちょっとだけ笑みを湛えているように見えるの面白いですね。「返したくない(=道長にやめてほしい)」のは本音でしょうけど、胸に去来する悲喜交交の思いもあるのでしょうか。どこか道長とのバチバチを楽しんでいるふしもあるのかな。
あと、指が長くて綺麗。


⚫︎ 野心家アクつよおじさん


木村さんの今までの役の傾向を見ていくと、
<黒髪俺様天才グループ>

ハイキュー!! の影山


弱虫ペダルの今泉
など

<純粋真面目一途グループ>

銀河鉄道の夜のジョバンニ


四月は君の嘘の有馬公生
など


からの
<野心家アクつよおじさん>


「どうしてこうなった」感が強い。
いい意味で。


でも、この投稿をポストしたあとに気づいたんですけど、ここ数年木村さんがやってきた役の中にもうひとつ、<こじらせてしまったグループ>がある気がしてきました。


血の婚礼のレオナルド


ハムレットハムレット
さらには
チルダのトランチブル校長
など


<野心家アクつよおじさん>につながるところがあるとしたら多分この<こじらせてしまったグループ>かも、とちょっと思いました。
なんか自分の中で腑に落ちました。
木村さんはこじらせてしまった人の役への愛情が深い。


※ ちなみにトランチブル校長役がオファーだったらこれも「なぜ木村さんにこの役を……!?」と不思議に思ったと思うのですが、こちらは自らオーディションを受けて掴み取った役とのことなので「なるほど」と思いました。


⚫︎ キャラがわかりやすかった
いや、なんか、こうして感想を書いていると、三条天皇の台詞とかそこまで多くないなっていうのを感じまして……その多くはない出番の中で、よくここまでキャラが立ったなって……そんなふうに良く見えるの、ファンの贔屓目だからかもしれないですけど、だからこそ正々堂々声を大にして褒め称えていきたいと思います。
木村さんすごい!!


⚫︎ 兼家の孫としての三条天皇
大鏡』によれば、道長の父・藤原兼家段田安則さん)は孫の三条天皇を殊の外かわいがり、また二人は容姿もよく似ていたということなのですが、木村さんは自身の三条天皇を作り上げるにあたって段田さん兼家を意識したのでしょうか、どうでしょうか。
舞台でも自分の役がどの役から影響を受けてるかを踏まえた演技が多いので、異母兄の花山天皇本郷奏多さん)も含め、そのあたりの血筋や成育環境はもしかしたら意識してるのでは?と思っているのですが……
一番わかりやすい例だと、『エリザベート』でルドルフ皇太子役を演じた時は、主人公である母エリザベートよりも父フランツを軸にしたルドルフであることがわかりやすく提示されていたり(仕草声色などが似ていたり、発言を受けたショックの度合いが大きかったり)、
その日の幼少期ルドルフの演技によって成長後のお芝居を変えていたりと、色々とお芝居に影響が織り込まれていました。
木村三条天皇のヒールとしての度量がわりと段田さん兼家に近いものがあると個人的には思っているのですが、意識して作っていたら面白いですね。



2024/11/10 NHK短歌 光る愛の歌 テーマ「数字を入れる」



⚫︎ 「『叔父上』から『左大臣』という言葉に呼び方が変わった瞬間に僕も意識をガラッと変えて演じてました」
これはドラマを見ていても感じましたね…!!


全然言語化できてないですけど、何かを感じ取った感覚はありましたね……いや「ウワーッ」じゃねえのよ


⚫︎ 「(即興で歌を詠み合うのは)ラップバトルみたいですよね」
俵万智先生に「なんてすてきな比喩だろう」と褒められる木村さん…!!
木村さんとラップといえば、山崎育三郎さんがアップしてくださったこのエピソードを思い出します。




いつも楽屋からラップが聞こえてきました。
ラップで発声する人初めて 笑笑

 
当時これを読んだ時は(大変僭越ながら)
「おもしれー男」と思わずにはいられませんでした。
※ ちなみにスチャダラパーの『サマージャム'95』だそうです。


⚫︎ 「(和歌を阿吽の呼吸でやり取りするのは)スナックとかカラオケ行った時に奥さんいるのに違う女性とデュエットを歌うみたいなことですよね」
俵万智先生「比喩がいちいち素晴らしい!!」
またしても俵万智先生に褒められている木村さん。
私もこのたとえを聞いてことのやばさを認識しましたね……そりゃ倫子さまも赤染衛門もあんなお顔するわ。
ちなみに木村さんはスナックがお好きなんだそうです。
歌はスナック仕込みだとか。



木村さん、役を纏っていない時のなんとなく野生味あるイメージから感性と野性で生きている人かと思いきや、お芝居の中には「エモーショナル」と「ロジカル」が面白い具合に同居しているので興味深くて好きです。
この「たとえ」にしても、昔は諸々「好きに受け取ってください」だったのが、繰り返しインタビューを受けることで人にイメージを伝えるための言語化能力を身につけていったという経緯があると(個人的には)感じているので、なんかこう、感覚だけの人じゃないんだなあと……でも作品に関しては「お客様の受け取ったものが正解」という前提はそのままでいてくださっているので、観客(視聴者)としても感想を言いやすいな〜と思います。このブログ、長文感想を書いておきながら全く意図を汲み取れてない時とか全然あるので!!


⚫︎ 「佑さんのお芝居がこうグイグイくるので」
「表情とかいろんなものにはあんま出ないような圧力みたいなものが僕に御簾ごしにもひしひしと伝わってくるので 僕もがっつり戦いにはいくんですけども」
わー!!こういうお話もっと聞きたい!!
柄本佑さん演じる道長の「表情とかいろんなものにはあんま出ないような圧力みたいなもの」ってすごくわかる!!
道長、声とか態度とかはどちらかといえば柔和なのに、霧雨みたいな圧があるんですよね……!!あれなんなんだろう?
人って誰かに対して圧力をかけようとする時はやっぱり声とか表情、しぐさに出ることが多いじゃないですか。怒鳴るとか睨むとか、机をバンバン叩くとか。そういうのが一切ないのに道長のほうから降り注ぐあの「何か」の正体はなんなんでしょう!?覇王色の覇気か!?と思います。
三条天皇もあれ感じてるのかー、つらそー。
これを受けて「ので 僕もがっつり戦いにはいくんですけども」って言ってるのがまた面白いなと。パッと見、道長からこれ見よがしな敵意みたいなのって表に出してないと思うんですけど、木村さん三条天皇は佑さん道長からの「圧」を感じ取っていて、だからこそ戦いに行っているっていう。俳優さん二人の高度な戦いが……巻き起こっている…………芝居心で煽りにいく、佑さんってすごい。


⚫︎ 「自分に発破をかけてもう一回立ち上がろうとする三条天皇 みたいのもちょっと意識しつつ演じてましたけど僕は」
これがどのシーンの三条天皇のことかはわからないんですけど、私はこういうところが木村さんのお芝居の木村さんらしさ、木村さんが役を演じる時に滲み出てしまうものだと思っていて……!!
ネタバレになるので作品名は伏せますが、これは木村さんの過去の出演作の私の感想なんですが、、


>目的を失ったときに、それでも目が死なないんですよね。
>撃たれてしまうまでに、希望を感じさせるようなエネルギーすらあって、私はここがすごく木村さんらしいと思いました。
>死を前にして生に手を伸ばす、『エリザベート』のルドルフもそうだった。


いやこれは私が感じただけのことなので、実際にルドルフや某役がそうだったかはわかりませんが、
「死を前にして生に手を伸ばす」、そういう「不屈の生命力」が木村さんのお芝居には滲むことがあるなあと思っているので、
三条天皇も最期までどうなるかなあと思いながら見届けたいと思います。



2014/11/10 第43回 「輝きののちに」


⚫︎ 妍子さまのご出産


というエピソードを脳内で補完しました。
道綱が居貞親王について道長に言っていた「案外お優しい」というのはこういう面なんじゃないかと思っています。
でも、ひかきみ版の妍子さまがここから幸せになれるのかというと、どうなんだろう……という不安は残ります。
倉沢妍子さまの孤独は、子どもが生まれたとて埋められる類いのものではないのだろうなと……


⚫︎ シングルクレジット
今更だけど何度見ても感動する、「三条天皇 木村達成」のシングルクレジット。


⚫︎ 「声が小さい」
という三条天皇に応えて声を張って奏上する道長が幼稚園児みたいでめちゃくちゃかわいらしく見えるんですけどこれは一体どういった事象でしょうか。
「いかがいたしましょお!」が特にかわいい。
それにしても三条天皇は急に怒りっぽくなって、譲位の話が出たせいもあるんでしょうけどご病気の影響というのもあるんでしょうかね……


⚫︎ 御簾があがる→書類が逆!→ギター「ギュイーン!!」太鼓「トンッタタン!トンッタタン!」
音楽なにそれどんな感情!?!?
三条天皇が急にジャングルに転生したみたいになったけど。
道長目線の劇伴なんでしょうか。


⚫︎ 左大臣がはっきりと譲位を迫ってきた」
この時点でもうだいぶ目のお加減が悪いのか、手つきが周囲を探るような感じになっていますね……


⚫︎ 「いやだ」
人事の話に「いやだ」ってそんな反論の仕方あります?もはや感情論でしか話せない三条天皇、あの優れた交渉術はどこに。病の進行と譲位の話が重なったのが余計にことを悪くしてしまっている気がしますね……切ない。


⚫︎ 「そんなに朕を信用できぬならそなたが朕の目と耳になれ それならば文句はなかろう」
お顔に自嘲が出ちゃってて、つら、、、、、、、
声がいつもより若干高めなのもつらい。低めにコントロールされた声色をもって説き伏せようとする余裕もない……
あんなにギラギラとオレはやるぜオレはやるぜしていた前振りがあってのこれですから、共感性羞恥的なものもあって見るのがつらいですね。
最初、これは親政を諦めてでも皇位にすがりつきたいということなのかと思ったんですけど、目と耳だけということは入力器官は任せるが判断は自分の頭でできる、ということで、まだ親ら政をおこなうことにこだわっている段階なのですね。
オレはできる、オレは先の天皇とは違う、そう思って25年を過ごしてきたのに、このザマはなんだ。そんな自嘲が聞こえてくるようでつらいです。
それにしても「そなたが朕の目と耳になれ」って言葉、これまで見えなかった三条天皇の素の感性が出ている感じで興味深いです。なんだろうな、急に抒情的、扇情的になったというか……「自分のために人の身体を使役する」ことに何も違和感がないように聞こえるからかな?


⚫︎ 「実資、朕は目を病んでおる」
ああ、目の力が弱まっている……!!!!
あんなに眼力あったのに……!
もう介助がないと目的地まで歩くのも難しい。
でもこの実資に訴える真摯な感じ、これが話術も交渉術も失った三条天皇のまっさらな姿であるのかもしれないと思うと、道長をはじめとした公卿たちと対峙するためにあれだけの鎧が必要だったんだなあとも思います。


⚫︎ 「しかし朕は正気である」
これは父、冷泉天皇の気の病を受けての言葉ですよね……それを言わなければいけない、そのお気持ちを考えるとつらい。自分が正気かどうかって考え出したらわからなくなるから、そういう恐怖もなくはないだろな、、


⚫︎ 「朕をまもってくれ。左大臣から朕を。……頼む」
ここの瞬きになりきらないような3回の瞬きで目が潤むのを見てたら、「私が守ります!!!」って言いたくなりました。打倒・道長!!


⚫︎ 実資を裏切ってはいけない
「実資だけは裏切ってはいけない」
というのはほぼ視聴者の総意だと思うんですけど、
そこまでの信頼を築き上げたロバートの秋山さん、脚本、演出がすごいなあと。
もはや三条天皇だけだよ、そこ気づいてなかったの。


⚫︎ 「君」を守りたい
娍子さまが来た時のほっとした笑顔は良かったな、、、、蔵人頭の件、その娍子さまに頼まれてしまっては断れなかったのかなあ、、、、、、
さっき三条天皇の“自分の周りにいる人たちに幸せを届けたい”という正義の話について書きましたけど、あれ、ミスチル『HERO』的な価値観の転換があるんですよね。

例えば誰か一人の命と
引き換えに世界を救えるとして
僕は誰かが名乗り出るのを待っているだけの男だ

でもヒーローになりたい
ただ一人 君にとっての


唯一無二の存在として、政を思いっきりやりたい。
でも最後の最後に選ぶのは、
「民」よりも「君」、
「セカイ(クニ)」よりも「イエ」。


この価値観をよりによって君主である木村三条天皇が内面化してしまっていたがゆえに、娍子さまの願いを断りきれず、ソトの人間(実資)を裏切る羽目になってしまった、、、、
というのは、木村三条天皇の進む破滅の道として綺麗な顛末だなあと思いました。
そういえば祖父・段田さん兼家の大義名分も「イエのため」でしたね。でも段田さん兼家は「君」よりも「イエ」、木村三条天皇は「イエ」よりも「君」という感じ。志向が「セカイ」「クニ」のマクロから「イエ」「君」のミクロになっているのはふたりとも同じだけど、その理由が多分正反対で、段田さん兼家は究極のリアリスト、木村三条天皇は究極のロマンチストだったのかも。
『光る君へ』には色々な対比があって面白いですね。


⚫︎ 絶対お薬飲まないで


三条天皇が飲んでいる宋から取り寄せた黒い薬、未来を知っている私たちからしたら「もーー絶対飲んじゃいけないやつ!!!」と思っちゃうから、余計見るのがつらいですね。三条天皇も娍子さまもそこに希望をかけてるんだもん、、、絶対飲んじゃいけないやつなのに、、、つら、、、


⚫︎ 隆家くんと三条天皇
私、ドラマの『昭和元禄落語心中』を見て以来竜星涼さんのご活躍を 憧れの生徒会長にキャーキャーいうモブ女子 みたいなテンションで見つめ続けているんですけど、今回三条天皇とがっつり絡みがありそうでなかったのは残念でした!!
小右記』によれば眼病の治療のために太宰権帥を望んだ隆家に対し三条天皇は同情的だった一方、道長がこれを妨害したそうなので、なんかこう……実際は二人が言葉を交わす場面もあったのかなと脳内で補完しました。
三条天皇、ご自身の病も大変なのにお優しい……ドラマでは描かれなかったけれど、実はあったかもしれない三条天皇の朗らかで優しいお顔が、自身の病や身に迫る譲位への焦りからあんなふうに自嘲的に歪んでしまったのかと思うと切ないです。


⚫︎ 勢登健雄さん
最後の宴のシーンで踊っていた「いとのいい人」福丸役の勢登健雄さんは、以前木村さんのファンクラブイベントの司会などでよくお世話になったお方なので、同じ回に出ていらしてなんだか嬉しかったです。私が初めて参加した木村さんのイベント(2016)の司会も勢登さんだったので……懐かしいです。お元気そうで本当に嬉しいです。


⚫︎ 金田哲さんの感想

こちらの動画で、金田さんが木村達成さんと以前にも共演経験があること、「木村のたっちゃんはスケボーめっちゃ上手い」ことが明かされました。
そう、タレント名鑑によれば木村のたっちゃんの趣味は「スケボー 海外旅行」らしいので……てかたっちゃん、スケボーどこで披露したん……
金田さんとは以前一緒にゴルフに行ったとも言っていたような気がします。ゴルフも好きな木村のたっちゃんです。よろしくお願いします。(何を?)


⚫︎ 大石静先生のブログ
この作品の脚本を担当されている大石静先生の2024/11/10のブログで、木村さんの三条天皇のお芝居に言及してくださっていました。

木村達成クンの芝居も見事です。三条は資料で読むとヒールなイメージなんですが、道長がいなければ、駆け引きなどせず、もっと素直に政が出来て、もしかしたら賢帝となったかも知れないな~とも思いました。

私はこれを読んで、とても嬉しくて…………
いや、私は全くの部外者なので何目線だよって感じなのですが、
木村さんがやっていることが報われたような気がして、「大丈夫です」とお墨付きをいただけたような気がして、陰ながら嬉しかったです。
私は、最近特に、物語を創った原作者の方のご意向は尊重するのはあたりまえで、さらに、真心をもって「大切に」する世界であってほしいと思っているので、
その原作者の方が自分の書いたキャラクターの演じられ方が「自分の意向と違う」と思ってはいらっしゃらないということがわかってとても安心しました。



2024/11/13 あさイチ 「教えて名店さん!みそ汁&とん汁」



⚫︎ 髪の毛がまだ長い!!!
『光る君へ』の撮影と舞台『セツアンの善人』が終わったから切るかな、どうかなと思っていたけど、こうなるとこれは何か他のお仕事の都合でさらに伸ばしているということでしょうか……いや、でも髪型が変わったからお仕事のためかと思ったら全然関係なかったみたいなこともあるから、、、いや、でも、、、、、
後ろに束ねると不思議と三条天皇っぽさが残りますね、三条天皇はこういった髪型だったわけではないのに不思議です。なんかワイルドなイメージになりそうなのにそういう感じでもなく、ちょっとクラシカルでアダルトな雰囲気になるのが素敵です。お洋服もシックで似合ってる……!!
ちなみに私は個人的に ↓このくらい↓ の長さの髪型が大好きなんですが、お仕事のためなら公開まで待ちますが!!でも仕事じゃないなら!できれば切っ……………………いや、いいです、長くしたい時もありますよね、、、、人の前に出る職業、色々つらいこともあると思うので髪型くらい好きな髪型でいてください、、、


あと、三条天皇の髭が似合いすぎてもはや髭がない方が違和感覚えますね!?最初居貞親王に髭が生えたの見た時は「早くも髭か〜!!!」と思ったのに、今はむしろ(長髪なら)髭がないと一抹の寂しさまで覚える。
長髪も髭もどちらかといえば苦手なのでこれは画期的な事象ですね……そうか……髭を恋しく思う時もあるのか………


⚫︎ 左のワイプに永遠に映ってる
一生ピン留めされてる


⚫︎ 「タブーを犯しても美味しくなるんだったらそれはもうタブーじゃない気がしますね」
名言きた
我が家も豚汁の時はめっちゃグラグラ煮てます。美味しいです。


⚫︎ (鍋の蓋を開ける)「あーーー!!😆😆😆」
はてなブログで絵文字って使えるんですかね?化けてたらすみません。リアルにこの顔してたので……
三条天皇では見たことのないこのまっすぐな満面の笑顔、大事にしていただきたい。健やかでいてください……


⚫︎ QRコードを読み込む推し
なんか貴重な姿きた


⚫︎ 豚汁にはニンニクと生姜を入れて作るのが好き
さすが、ひとり暮らしで自炊してるの偉すぎますね……私なんて家族全員の分を作る責任を負ってですら「毎日ウーバーにお願いしたい」とか言ってるというのに……


⚫︎ 食べながら話す時は口を隠す
SU⭐︎KI


⚫︎ 「じゃあ(塩分と一緒にカリウムを摂れば)プラマイゼロってことっすね」
MA⭐︎E⭐︎MU⭐︎KI


⚫︎ ・ω・
みそしるエプロン可愛すぎる!胸を張って着ている木村さんも可愛い。


⚫︎ みそプレート
こんな文化(?)が……初めて知りました。確かに子どもと作ったりしたら喜ぶかも。お麩とか可愛いのありますよね。


⚫︎ 白手袋
白手袋!!!!!!!
似合う!!!!!!オークショニアの役とかやってほしい!!!!!
ミュージカル『ファントム』の時もシャンドン伯爵の白手袋姿が好きだったな〜!!
こちら(えんぶ)に掲載されている姿です。今見てもかっこいいな……


⚫︎ 背が高い・ガタイがいい・台が低い・台に宣材写真貼ってある
立ち上がって前に来ただけで情報量が多い。
まず思っていたより背が高い!!!いや、180cmあるというのは知ってるんですけど、2.5次元界隈&ミュージカル界隈が高身長の方が多いせいかあまり背の高いイメージがないんですよね。でもこうして違う世界で見てみるとなんかすごくスラリとして大きいなと……あっドラマで彰子さまがおっしゃっていた「(居貞親王は)すらっとしていて凛々しい」その通りだなと!ちなみに握手会などの対面イベントだとその「すらっ」さをめちゃくちゃ実感できます、めちゃくちゃ「すらっ」とされています。そしてこちらの身長に合わせて屈んでくださいます……
そういえば木村さんが屈んで真正面から女性に目を合わせるお芝居が好きなんですよね、ホリプロコンサートの唯月ふうかさんとのデュエットの時とかほんと可愛かったな、、、、そういう役もまた見てみたいです。


あと、やはり体格がよくなっている……?上半身も鍛えてるんでしょうか……?気になります。


⚫︎ 馬場さん「口では大胆なんですけど結構繊細な……」
まるで木村さんのお芝居の本質をとらえたかのような鋭い批評が爆誕して思わず笑ってしまいました。(いや木村さんご本人が実際どういう方なのかは知りませんが)
まさかの みそプレート診断テスト。


⚫︎ 星が流れる夜空のみそプレート
ふふふ……かわいいですね……
すごく微笑ましいです、私みたいな本物のセンス皆無人間が作ったら悪意をぶちまけたスターゲイジーパイみたいなやつになるので……それに比べたら流れ星と夜空のなんと美しきことよ。みその上で詠まれた短歌ですよ短歌。


⚫︎ 引き笑い
NHK短歌に引き続き久々に見た!!!
私の中で木村さんといえばこの笑い声だな〜、と思いました。1年ぶりくらいに見た。おかえりなさい。


⚫︎ 思い出:除夜の鐘を打つために並んでいた時に出してもらったお味噌汁
えーめっちゃいいエピソード!!これこそ一句!!!一句読めそう!!!!
晦日 除夜の鐘を打ち鳴らし打ち鳴らしつつ 味噌汁を飲む
(打ち鳴らし打ち鳴らしつつが言いたかっただけ)
(除夜の鐘打ち鳴らしつつお味噌汁を飲むのは危ないのでやめたほうがいいですね)
(すみません)
「かね」つながりで若山牧水を思い出しましたね……(牧水は小さい「鉦(かね)」ですが)
若山牧水もいつか演じてほしいんだよなあ


⚫︎ 「(れんこんを使った料理は)僕はあまりしないですけど( ˃̵_˂̵)食べるのは大好きです」
何そのギュッと目をつぶるの、、、かわいいですね


⚫︎ 「(常備しているのは)キャベツか白菜」
「鍋したりするの好きなんで」偉いなーーーー!
何度でもいうけどひとり暮らしで自炊している人は全員偉いです。家族のためにご飯作っている人も全員偉いです。


⚫︎ 「箸置きも蓮根ですね」
ささやかな気遣いにも気がつくその心!!素晴らしい!!
(全てを褒めていくスタンス)


⚫︎ 「美味しい」
素敵!!
(全てを褒めていくスタンス)


⚫︎ 長野県60代の方「三条天皇が流れ星のみそプレートを…。道長にこれを持っていけば意見が通るかも…」
60代の方にみそプレート擦られてるのめっちゃ最高ですね、知名度が上がったのを感じる……!!NHKさんありがとうございます……!!
「もう映さないでくださいそれ…恥ずかしいから…!!!」
なんてチャーミングな。
そんなみそプレート、インスタにもアップされてたので貼っておきます。



なんかこうやって持つと上のところがはなかっぱの葉っぱと目みたいでかわいい。


⚫︎ 両手お手振り
両手お手振りーー!!!懐かしい!!これも久々に見た気がする!!!わかんないけど!!!!
木村さんのお手振りといえば両手のイメージ。
お芝居の見られなかったこの一年、長かったけど、
あさイチに出てる木村さんが見られるなんて待った甲斐がありました。
楽しかったー!!






2014/11/17 第44回 「望月の夜」


⚫︎ 「目も見えぬ 耳も聞こえぬが そなたの顔はわかる」
これ、実資がめっちゃ近寄ってるからですよね……?
聞こえないということがわかってからも、道長も公任も俊賢もある程度距離を保って座ったままでしたよね。ところが実資は目の前まで歩み寄っている。不敬なのではと思わなくもないけど、この姿を見ると「唯一の忠臣」はその通りだなと思ってしまう。
ていうか実資、先週あんな目に遭ったのになんていい人、、、メリットなんて何もなさそうなのに。
義の人なんだな……


⚫︎ 娍子「主上、綺麗な月でございますよ」三条天皇「そうなのか」
私これ、三条天皇の台詞の中でも一、二位を争うくらいはっとなりました。

事前にこの写真を見ていたからか、月の形はわからないまでも光くらいはぼんやりと見えているのかなと勝手に思い込んでいて。
それすらも、なんにも見えてないんだ……!
という衝撃。と、
「そうだな」
と言わない三条天皇の、もう娍子さまに気丈に振る舞ったりすらもできないんだな、という、、、でも娍子さまに気を遣わず、弱さを曝け出せていて良かったなとも思う。
でも、やっぱり「綺麗な月でございますよ」と聞くとよく言われる夏目漱石の「月が綺麗ですね=I love you」を思い出してしまうから、その返事が「そうなのか」であることの娍子さまにおける悲しみ、感動を分かち合えないつらさ、そういうものに思いを馳せてしまうし、利発な娍子さまがこのとき涙をこらえられなかった気持ちがよくわかるような気がしてしまう……
三条天皇が娍子さまが泣いていることに気がついたのは、涙のしずくが落ちてきたのかな、、、
二人を照らしているのが欠けた三日月なのも、このあとの道長の望月のシーンとの対比となっていてかなしい。三日月は明け方昇って夜早いうちに沈むから、娍子さまが見ていたのは「もう間もなく沈む月」なのかな。


⚫︎ 「心にも」

心にも
あらで浮世に
ながらへば

恋しかるべき
夜半の月かな

劇中には出てきませんでしたが、最初は、先程の写真のシーンでこの歌を詠むのかなと思っていました。
でも娍子さまが見ているのは三日月。
三日月は夜半(真夜中)には見られない……
三条天皇がもしこのタイミングで歌を詠んでいたら、時間感覚も狂い、実際の月も見えず、ただ過去に見た望月の美しさを思い出しながら、娍子さまと一緒に月光に照らされているこの時間を慈しんでいる……その「月」は、もう見えない娍子さまのお姿のことでもあるのかな……切ないな、、、と思いました。このあと道長が本物の「望月」を見ているからこそ余計に。


⚫︎ 「闇だ。闇でない時は…あったかのう」


私、東宮の頃から即位すぐの頃ぐらいまで三条天皇はわりと「陽の人」だと思っていたんですけど……
一条天皇より4歳年上の「さかさの儲けの君」であった時から、ずっと自分の前に闇を見て、それを振り払うための明るさであったということなら、なんと私の人を見る目のないことか。
あと、「目と耳になれ」の台詞にも感じた抒情的な感じがここにも。比喩があんまり比喩じゃなさそうな、限りなく現実の知覚に近い感じが特殊なのかも。


⚫︎ 「娍子。闇を共に歩んでくれて、嬉しかったぞ」
三条院が「共に歩んだ」と認識しているということは、娍子さまは、その「前に広がる闇」を三条院と共にずっと見てきたということですよね。
なんだろ、最初娍子さまは三条天皇にとっての「光る君」だったのかなと思っていたけど、そういう神格化の対象じゃなくて、共に闇の中を歩んできた、もっと仲間のような、同志のような、手をぎゅっと握り続けて歩んできた「実在の」パートナーだったのだな……と思いました。
朝倉さんのお鼻が真っ赤で、胸がぎゅっとなる。


⚫︎ 娍子「主上はいつまでも、私の主上でございます」
三条院、聞こえたかな……?
まぶたをおろして安心したように少し微笑んだようにも見える。
そして一筋の涙。
聞こえているといいですね。


⚫︎ 木村さんのクランクアップに朝倉さんが駆けつけてくださった

――木村さんのクランクアップの際に駆けつけたと伺いました。
はい(笑)。私は先にクランクアップしていたんですけれども、どうしても駆けつけたくて。木村さんに喜んでいただけたので、勇気を出して行って良かったです。

朝倉さんが娍子さまを演じてくださって、お二人の三条天皇と娍子さまを観ることができて本当によかったです、ありがとうございます……





⚫︎ 君かたり

たぶん亡くなったあと敦明が東宮から降りていることにブチギレていると思いますよ。
「なにやってんねん!」っていう。
敦明らしいけど(^_^)

ちょっとwwwしんみりしてるのにwwww
でもほんとそう、三条天皇にはそれくらい血気盛んでいていただきたい。
最期まで、少しでも物事を良い方向へと進める気力を失わない、木村さんらしい三条天皇だったな!と思います。


⚫︎ 観るだけのくせに謎の緊張
三条天皇践祚してから、毎週ハラハラドキドキしながら観ていました。そんなスリラー作品ではないのですが……
やはり、柄本佑さん演じる藤原道長の存在が大きすぎて、そして『光る君へ』の物語が語り続けられた10ヶ月という月日が重すぎて、
そこにいきなり舞台畑の木村さんが入っていって、大丈夫なんだろうか?芝居が大袈裟すぎるとか、敵として佑さんに釣り合わないとか、天皇を演じるには役者不足とか、いろいろ言われるんじゃないか?と不安で……いや私はただの一ファンの部外者なので、全然そんなこと気にする必要も資格もないのですが。ないんですけど勝手に心配になってしまって、
でも、ちゃんと見れたわけじゃないんですけど、薄目でそっと見た感じでは、三条天皇の行く末を温かい目で見守ってくださっていた方もいらっしゃったのだと感じて、少し安心しました。
木村さんの次のお仕事(カタシロ)が解禁になった時に、カタシロ界隈の方が「三条天皇の人だ!」とおっしゃっているのもお見かけして、さすが大河ドラマはすごいな……!!と思いました。


木村さんの来年のお仕事が何も解禁されていないので(舞台作品は例年今頃になれば翌年の予定が1,2本解禁されていてもおかしくない)、
これから何するんだろう……来年も木村さんのお芝居を観られるのだろうか……また一年空いたらどうしよう……と暗澹たる思いですが、舞台でも映像でも、とにかく何かお芝居をしている姿を観られたら嬉しいなあと思っています。



最後に、個人的に好きな木村さんのコメント動画を貼っておきます。
私は眼鏡キャラと黒髪前髪キャラが好きなので、もう抗いようがなかった。
「なぜこの人に年長の天皇役を……?」と私が不思議に思っているわけが少しわかっていただけるかもしれません。
「君かたり」の喋り方にもあらわれているかもしれませんが、個人的には、役を纏っていない時の木村さんは「なんか気のいい兄ちゃん」みたいなイメージ。(「みんなー!見に来てねー!」が茶目っ気あって好きです)


なので、木村達成さんという俳優の中に仏師の如く三条天皇の可能性を見出して、賭けてくださった方に感謝しています。
木村さんの演じる三条天皇が見られてよかったです。




居貞親王の初登場時に、このような感想を書いたんですけど、

悪役でもそうでなくても、話を盛り上げるためだけの物語の傀儡に魅力は感じないので、彼の信念がどこにあるのか、彼にとっての正義はなんなのか、それがお芝居で表現されたらいいなあと思います。
そしてドラマでは細切れになってしまうであろう三条天皇の人生に、ひとつの筋を通してくれることを願っています!!!


私はファンなので、木村さん、本当にお見事だったなあと思います。


以上、ここまで長文ブログをお読みいただきありがとうございました。


木村さんのこれまでの出演作・今後の予定はこちら


木村さんのミュージカル歌唱姿はこちら


はんにゃ.金田哲さんのこれまでの出演作についてはこちら