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ミュージカル『四月は君の嘘』感想

ミュージカル『四月は君の嘘』5/8マチネ公演を観ました。
有馬公生:木村達成さん、渡亮太:寺西拓人さんの回です。


観る前にコンセプトCDを聴きながら予想していたイメージとはかなり違っていて、驚きの多い観劇でした。
個人的にはかなり好きです。



※ 5/16マチネ(公生:木村達成さん、渡:水田航生さん)の感想はこちら。




以下、途中までネタバレなしの感想です。



● 歌の熱量とそれを受けた脚本の潔さ

まず驚いたのが、あの繊細に積み上げられた原作の物語を容赦なくばっさばっさと切ってしまった脚本です。なんとなくもっと地に足がついた感じになるだろうと思っていたのでかなり意外でした。
正直、ディテールはほぼ切られたと感じたし説明不足感もあるし、びゅん…びゅん…スッ…と話が進んでいるので舞台上でワーっ!!と盛り上がってたと思ったら直後ズーン…となってたりしてそのテンションの高低差に「ちょっと待って!」てなる時もあるし、暗転が単調に感じる時もあるし場面転換で物音が気になる時もある(これは脚本のせいじゃないけど)。


でも、なぜか不思議と不快ではない……?
グイグイ引っ張っていかれて、なんかすごい大雑把だけど、振り回される遠心力が心地よく、大胆で強引で唐突で、まるで宮園かをりちゃんみたいな脚本……


好きな作品の実写化とか舞台化とかで個人的によくあるのが
「なんで!なんでよりによってあのセリフorシーンを省いた!?あれがいいのに!!あれないとキャラの魅力が1/100も伝わらないのに!!ていうかあのオリジナル展開追加する時間あったら原作のあれをせい!!!」
っていうフラストレーションなんですけど、
この作品ではむしろほぼ省かれてるので逆にそんな怒りもわかない。そうかその手があったか。いや他の作品には生半可な気持ちで真似してほしくはないですが。なぜならそれやったら大体「こんなもんは〇〇じゃない」ってなるからですね。あったりまえだよ年齢設定変えてほぼ省いたらもう別の何かだよ。じゃあこの作品はどうだったのかというと、それでも『四月は君の嘘』になってる気がした。
何を言ってるのかわからねーと思うが……


物語の展開的には「骨格はかろうじて残っている」くらいの印象ですらあるんですが、しかしそれを包む強烈な「宮園かをり」「有馬公生」「澤部椿」「渡亮太」という概念があり、そこに歌をこれでもかと詰め込んだみたいな作品。そしてその「歌」の熱量がやばい。


今、漫画作品の実写化への不信感から原作ファンが「実写版は二次創作」と自分に言い聞かせてやりすごそうとするムーブがありますが、確かにこの作品を「二次創作」だと思って観ると深く納得するところがあります。それは元々の悪い意味ではなくて、「二次創作」の根っこの部分、原作へのリスペクトというか、「今無料公開中だから1巻だけ読むかと思って開いたはずが気づいたら全巻読み終わってたし一晩で15ページ描いてた」みたいな愛の勢いに通じるものがこの作品の歌にはあるな……と。


この作品が「ちゃんと君嘘になってる気がする」のはたぶんこの熱量のおかげで、歌やキャストのすごさを見せるためにキャラが利用されたのではなくて、キャラを表現したくて歌が歌われるのだ、ときちんと感じられたからだと思います(原作ファンからすれば当たり前すぎる最低限の望みだけど、それが叶えられていない作品は少なくない)。
そして、幸運にも…いや、「この作品を」「ミュージカルで」となった動機の一つであろうと思うのですが、ここで使われた「歌」という表現手法がまさに「音楽」であったがために、それが響けば響くほど『四月は君の嘘』という作品そのものが大きく共鳴していくのですよね。


私は生身の人間バージョンとしては2017年の舞台版がとてもよくでできていると思っていて(dアニメストアで見られるので是非)、キャラクターもめちゃくちゃまんまだし演奏シーンにプロの方の生演奏をうまく重ねているし脚本も丁寧で演出も繊細なので、ミュージカルがこれを超えられるかどうか…!?と思ってたんですけど、同じ舞台芸術なのに何か全然立ち位置やジャンルが違うと感じました。ミュージカル版は物語だけを見れば駆け足感は拭えないものの、とにかく歌が出色の出来なので、どちらも観て良かったです。


ああ、でも、ミュージカル版の端折り方によって本番前の公生があんまり練習してないように感じられるとこはちょっと微妙だったかな。原作ではちゃんといっぱい努力してるので…….そこはちょっとの台詞次第でもっと印象変えられるんじゃないかという気がする。じゃないと武士くんと絵見ちゃんが報われない。


● アンサンブルの力強さ

アンサンブルの皆さんがとにかく力強く、瑞々しく、時にコンクールの厳しさを、時に青春のきらめきを集結させたり散りばめたりしていてとても良いです。
もし昔の自分が学校の芸術鑑賞会とかでこの作品を見たら、年の近いアンサンブルさんたちに感化されたかもなあと思った。「自分も何かやりたい!」という気持ちになったんじゃないかと……日本の高校が舞台ということもあって、制服姿のアンサンブルの皆さんが醸し出す雰囲気や「部活」「文化祭」というシチュエーションにとっつきやすさ、親近感があり、それでいて知らない世界の入口にもなれるような場所にある作品になってるんじゃないかなあと思いました(ここは狙いのひとつであるんだろうと思う)。若い方にもぜひ見ていただきたい…!
そういえば渡と公生のシーンで教室にひとり女の子が残っていたのが印象的だったな。どんな気持ちで残っているのかなとか考えさせられて、2人しかいないよりもすごくドラマがあった。ひょっとして椿ちゃんのお友達の柏木さんかなと思って見てました。でも次に見た時には椿ちゃんになっていたので、もしかして最初から椿ちゃんだった…??


自分の頃の文化祭ってクラスの出し物でロミジュリとかウエストサイドストーリーとかやってるところがあったけど、君嘘もその枠に入ったらいいのに…!権利とか難しいんだろうけど。ミュージカルに馴染みがない人も知ってる作品って、意外とそういうところで認知されることもあるよねと。



● 役とキャストの化学反応

いくら楽曲が凄くても、俳優さんがそれを歌えなければ伝わらないわけで……キャラクターの「概念」と「歌」を両立して体現させられる若手俳優さんが揃っていた、というのも今作の重要なポイントでした。
とにかく生田絵梨花さんの宮園かをりがめちゃくちゃハマっていて、容姿や人物像に違和感がなく、歌声の美しさも際立っていました。生田さんのために書かれた歌かと思うくらい合っていた。
生田さんの持つアイドル性が公生から見たかをりちゃんの姿に奇跡的にマッチしていて、見ててずっと「君だよ君なんだよ〜♪」(アニメ版主題歌)って頭の中に流れてた。これだけエピソードが省かれてるのに公生が自分の気持ちを自覚したシーンで違和感がなかったのは、生田さんのかをりちゃんが公生にとっての「君」であったことに納得しかないからだろうと思う。


唯月ふうかさんは本当にどう見てもすごく巧い。歌も演技も舞台上での居方、立ち回りも。随所に経験の厚さを感じる…….歌にこもる感情に層やグラデーションがあって、椿ちゃんもまためちゃくちゃエピソードが省かれてしまっているのにこの子がどれだけ健気でいい子で難儀な場所にいるのかというのがこれでもかと伝わってくる。
このふたりは演じ方や脚本の言葉の取捨選択によってはただの横暴な人になってしまう危険性があったけれど、そんなことはなく、愛おしい人物像になっていて嬉しかったです。


寺西拓人さんの渡はかっこよくていいヤツ。声もかっこいいしダンスもかっこいい。これは寺西さん本人の雰囲気によるものかなと思うのですが、体格もがっしりしてて懐の深そうな感じがあって、その印象と彼が公生の友人であるという事実がうっすらとだけどこの物語が終わった後の世界(読後感みたいなもの)を支えている。彼のおかげもあって悲しみだけで終わらずにすむような、大切な安心感がありました。


木村達成さんの公生はこの3人に団扇であおがれて動いているような感じだけど、その受け身の状態から自分の足で動き出す、歌い出す変化がひとつの大きな見どころ。この作品のうねりは公生に始まり、公生に終わる。感情が急に瓦解したとき本当にびっくりしたし、すごいなと思った。あとたぶん歌声の変化で公生のピアノの音色の変化を表現しようとしてて、この作品をミュージカルにしたことの意義のひとつがここに懸かっているのだという気がしました。


この若手俳優4人が存分に(唯月さんはもっともっと見たいけど)実力を発揮してその上とても可愛らしく、かっこよく、素敵に見えるのでそれだけでもう満足度がすごいんですよね……


なんか、アイドルや若手俳優を売り出したいのであろう映画なのに主役の子たちが可愛くかっこよく撮れていなかったり、本人の備える魅力や実力を全然出しきれていなかったり、これやらせて誰が楽しいんだ?ってよくわかんないシーンが追加されてたりすること少なくないじゃないですか……その結果、使われた原作のイメージまで毀損されるっていう……でもこのミュージカルはそんなことなかったので……
キャラと若手俳優さんたちの持つそれぞれの魅力がうまく合わさって眩い輝きを放っていて、そういうのがうまくハマることってあまりない気がするので、良いキャスティングだなあと思いました。


個人的には、いやこれって、かなりよくできた若手ミュージカルなのでは……!?と思いました。
自分の中では映画だと『ちはやふる』くらいの若手キャスティング成功例というか…「『この人はこういう役、こういうことをしてる時に輝くんだ!』『この人ってこんなに魅力的だったんだ!』とファンでない人も、ファンですらも発見するような作品」のミュージカルバージョンじゃん!と。メインの若手俳優さんと、周りを固めるみなさんと、縁の下から支え見守る大人キャストと、そして原作のキャラクターとがあいまって「みんながキラキラして見える」というのは結構珍しい気がしたので、良かったなーと思いました。



そして若手俳優さんが輝いていたという流れでぜひ付記しておきたいのが井川絵見役の元榮菜摘さんで、パワフルな歌声が素敵でつよつよで凛として美しい良き絵見ちゃんでした……図書館戦争をミュージカル化するなら柴崎役で見てみたい。


● フォーマットとしての強さ

とにかく楽曲が強いので、いろんなキャストさんで繰り返し上演されていったらいいなあと思ったり……今作を見るとかをり役はいくちゃん以外にいない!と感じるんだけど、2017年舞台版の松永有紗さんもめちゃくちゃ宮園かをりだったので、再現させられる人が他にもいるであろうことは身をもって知ってるんですよ……たださらにこの歌を歌える俳優さん、しかもこれだけお客さんを連れてこられる俳優さん…!!となると難しくて、だからこそばちっとハマったときの喜びがすごいだろうと思うんですよね……
有馬公生役もそうで、この素晴らしい楽曲群がどんどん若手俳優さんに歌われてほしいので、演目として強くなればいいなあと思いました。今回だけじゃもったいない。



以下、ネタバレありの感想です。



・武士と絵見が「名前だけでも覚えて帰ってください」と言わんばかりに有馬公生の名を連呼しててめちゃ有馬公生推しの2人組みたいになってたけど(合っているといえば合ってるんだけど)、もっと自分達の話もしていいんやでと思いました。でもライバルで特別な感情を抱いていることは歌で伝わってきたし、都合よく使われる悪役じゃなく優しい子たちとして描かれていたので良かったのかな…この2人だけじゃなく、基本、ほとんどの登場人物が掘り下げられなかったなという印象。これで歌が微妙だったら私はキレ散らかしてただろうなと思います。


・二幕、思ってたのと違う感じで始まって「待って待って」ってなったけど初聞きですごい好きな歌だった。ウィーンミュージカル沼の入り口を感じた。


・背景、桜の写真?を映すってすごい直截的じゃない!?と思ったりもしたけど、切り絵みたいな縁取りが好きです。あと黒いフレーム…?みたいなのが大きくなりながら広がっていく?のがなんか良かった、あれ錯視的な効果もあるのかな?どうなってるのかもっとよく見たい。


・自分が高所恐怖症なのでセットの高さと階段にハラハラしてしまって、どうか怪我なくお気をつけて…と思います。映えるし、効果的だし、見た目とか色々あると思うけど、去年他社さんでスタッフさんの転落事故が起きてしまったばかりなので心配です。見えていないだけで安全対策など万全であれば良いのですが。願わくば…手すりを…


・かをりと公生の出会いのシーンどうすんのかなと思ってたけど靴下持ってただけになっててうまいなと思いました。


・手術前のかをりと演奏前の公生のシーン、ふたりとも「君」がいるからひとりじゃないと思えているけど、本当は「君」だけじゃない、さらに家族や友人やライバルもいるというのが表現されていて安心しました。原作では公生自身がコンクールの演奏中に気づいたことだけど、あえてまだ本人は気づかないまま、ただ未来を暗示するためにここに持ってきたんだなと。絵見も武士役のユーリック武蔵さんも、流れ上不自然になってもおかしくないところなのにお芝居に違和感がなくてとても良かった。この作品、実は結構おふたりの空気感で緊張と緩和が操作されている部分もある気がする。
「君」だけじゃない、というのはとてもとても大事なことなので、ここに関してはバッサリと切るだけじゃなくてきちんと残っていて良かった。


・闇堕ちと膝落ちが似合うことでおなじみの木村達成さんですが、いつもは起承転結の「承」や「結」に見せてくれることの多い「舞台に膝をつく姿」が今回は「起」に来ていて最初からクライマックスでしたし、これが君嘘だと思いました。
『僕にピアノが聞こえないなら』は論文でいうところの序論。すっごい好き。


木村達成さんの有馬公生、膝閉じてしゃがむしバッグ両手持ちするし俯き加減にメガネ直すしすごく有馬公生
・あの長い足で膝を閉じてしゃがむって実はバランス取るのすごい難しいのでは…!?
・「陰を足す」のではなく「陽を引く」感じで有馬公生の佇まいを作っているの、好き
・「そんな木村達成は見たことない」だらけだった


・『君がわからない』、歌も振付もめちゃくちゃかわいい。こっちを向くとこ、表情の抜けた感じがとても有馬公生
・あっち向いてた公生をのぞきこんだかをりちゃんが吹き出してたのなんでだかわからないけど可愛い。変顔でもしてたんでしょうか


・お母さんのエピソード、どう描写することを選んでもそれぞれの難しさがあるだろうからどうするのかなと思っていたけど、確かにこのあたりが落としどころなのかもしれないと思った。この結論が可能なのは実体を出さないことで事実を曖昧にしたからこそだと思う。彼の中でさよならできたのなら良い。その複雑な思いを抱えた上でだけど、公生と幼い公生の歌が素晴らしいです。


・「僕はどうしたらいい?」のとこでものすごく意表をつかれました、木村さんてこんな声だったっけ?と。急に何かが瓦解してそれまで内側に向いていた感情が堰を切ったように外に溢れ出て、ああ、鉄仮面が壊れたと思ってふとみてみたら彼はまるで「幼い公生」のままで。椿の「時間って止まるんだよね」が正しかったことを、彼女がずっと公生を見てきたことを知りました。脚本は大雑把に見えるけれど、でも物語は彼らの中でちゃんと繋がってる。


・「これは、恋」の納得感の裏には、生田さんのかをりちゃんが魅力的だったことも大きいけど、公生の感情の上り詰め方、噛み締め方にも説得力があったなと思う。歌だけど台詞でありモノローグであるような言い方。


・ピアノを弾きながらの『君が聞こえる』、CDではお別れの歌として聞いていたから、木村さんのお芝居を見て「笑ってる…!?」と本当に驚きました。
でも、彼女が公生に何をくれたのかよくわかる。
木村さんが以前出演した『銀河鉄道の夜2020』の最後、ジョバンニはカムパネルラが生きていたことを証明すると決意したように笑ったから、カムパネルラ良かったね…っていう気持ちになったけど、今回の公生の笑顔は、誰かが「君を忘れない」と言ってくれることがカムパネルラやかをりちゃんにとっておそらく嬉しいことであるように、「君が僕の心の中にいてくれる」ということがジョバンニや公生にとって喜びなんだということを教えてくれました。


『映画みたいに』も失恋ソングではなく憧れ、喜びの方向で歌う歌だってこちらのインタビューで言ってて目から鱗だったけど、この歌も同じ驚きだった。


私は公生の抱えた闇や影、挫折、絶望、喪失感を表現するのに木村さんはすごくハマるだろうなと思っていたし、冒頭から確かにその通りだったのですが、
終盤で彼が強く表現したのは喪失よりもむしろ存在で、公生の中に「君」がいること、音楽があること、その光、希望のほうにフォーカスが当てられていて。木村さんの公生が最後に選んだのは愛の悲しみではなく愛の喜びのほうだったということかなと思いました。


・ファンが誉めなくて誰が誉めるんだ!と思うのでもっと書くんですけど、『君が聞こえる』の木村さんの有馬公生としての歌の表現が本当に豊かで優しくてあたたかくて子どもが光に向かって手をいっぱいに広げたようで、確か今作でも絵見ちゃんがちょこっと歌ってた気がするけど「子どもの頃の公生のピアノの音はひまわりみたいだった」というのがまさにそれだと思いました。ひまわりのような歌声。そんなん今までの作品で聞いたことないし!TL5Yの時は(役として)調子に乗りまくってたしJtRの時は〇〇〇(ネタバレになるので自己規制)だったよ!?すごいね!?
2018年に木村さんがグランドミュージカルデビューした時、「もっと木村さんの歌を聞いてみたいなあ〜!」とは思っていたけど、木村さんがこんな色付いていくような表現をするようになると私は想像できていたかな、いやできてないな、と思いました。
そもそも私は演劇自体歌わないものから入ったので、それこそキンキーブーツ初演あたりからミュージカルをまじめに観始めて、ミュージカルでは歌によって感情表現の方向が増えるということを初めて知ったのですが、そのx軸とy軸だけだと思っていたらz軸があった時の衝撃みたいなものを今回木村さんの歌に感じました。感情のベクトルが上にも伸びてて立体的なドーム型。自分でも何言ってるかわからん。


・これは本筋ではないのですが個人的にピアノの弾き語り姿が好きなので公生がピアノを弾きながら歌うのがすごい熱いです。ただピアノの手の動きは歌の伴奏じゃなくてショパンを弾いてるていだと思うのですごい難しいことしてる…!と思いました。


・ハイステの亡霊なので一幕早々に2人の盆が回り始めてハイステーってなったしサッカー部のありがとうございましたでハイステーってなったし木村さんといくちゃんがカテコでノープランで出てきてハイステーってなった


・ブロードウェイミュージカル『プロデューサーズ』の大千穐楽、観劇予定じゃなかったのにいてもたってもいられなくて急遽参戦して、カテコの挨拶でそれまで確かに美しく気高いカルメンさんだった方が急に「なんかあ〜」と陽キャ全開で喋り出して会場が動揺したのを目撃したんですけど、今日のカテコであれと同じ現象が起きないか一瞬緊張しました(起きてもいい)(そのギャップも楽しい)
でも「ワイルドホーン来てるんだけど!」っていくちゃんと手を振ってたのめちゃくちゃ可愛かったしまず間違いなく陽キャでした




・カテコ寺西さん挨拶(ちょっとだけ木村さんといくちゃんがどっちが仕切るかかわちゃわちゃしてた)
木村「今日は僕と寺西くんの初日です。なのでテラ!(いきなり振った感じ)」
寺西「え!?はい!今日実は卵焼きがすごくうまく焼けて…」
木村「それ楽屋で言ってたやつ!笑」
寺西「なので今日はとても良い日になると思っていました。そういうちょっとした出来事を大事に、明日も頑張ろうと思えるような作品になっていたらと思います。ありがとうございました!」
卵焼きがうまく焼けた話をしている人とそれを聞いている人がいる楽屋、平和


・カテコ木村さん挨拶
木村「前回中止になって2年、コロナ禍を経てこうしてお届けする機会を持てたこと、とても感慨深いです。そしてもっとたくさんの方にお届けしたいと思います。これから千秋楽まで長い道のりですが(アンサンブルの皆さんの方を振り返って)よろしくお願いします。(客席を向いて)よろしくお願いいたします!!(ぱちぱち…と客席から拍手が起きかけたのを遮って)そして!そして!!規制退場にご協力をお願いします!!」
規制退場大事


・木村さん、生田さんの2人カテコ
木村「(客席を見て)ワイルドホーン来てるじゃん!」
木村、生田「(手を振る)」
ワイルドホーンさん御一行様「(応える)」

木村「どうする?何も聞いてないよね?」
生田「(頷く)」
木村「じゃあしゃしゃっと、しゃしゃっとってあれだけど、早く帰らなきゃいけない方もいるだろうから、あなたは夜もありますし」
生田「うん」
木村「……コントでもやる?」
生田「こわい!笑」
ノープランだとコントを提案しがちな木村さん


・いくちゃん挨拶後のカテコ木村さんラスト挨拶
木村「アゲイン!帰省退場にご協力ください!!!よろしくおngよろしくお願いします!!」
帰省退場アゲインで噛む木村さん


・自分の実力を超えたところに手を伸ばそうとして、懸命に努力するけれどまだ届かない、なんてざらにあるというかそっちのほうが多いと私は思って生きてるんですけど、木村さんはいつも本番で、以前なら届かなかったはずの位置に手をかけているから本当にすごいなと思います。


・現実が許すなら(許さないけど)全公演観たいと思いました。


・大切な人たちと一緒に好きなものを食べられる喜びをちゃんと噛み締めて生きたいね…。ほんとに…。



以上


5/16マチネ(公生:木村達成さん、渡:水田航生さん)の感想はこちら。




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