王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

演劇の配信を観て思ったことメモ

最近、演劇の配信をいくつか観ました。全部面白かったです。


以下、演劇の配信というものに関して個人的に思ったことをメモ。
推敲・成形する余裕がなくて表記とか名前とか書いてある内容とか全部いい加減ですみません。




● プラットフォーム的な話

サービス内訳(全9作品)イープラス5、ぴあ1、YouTube1、観劇三昧1、vimeo1(ファンキャスのアーカイブ

・イープラ×スマホ×ライブ配信だと頻繁に音切れやフリーズが発生する。たぶんサーバー側の問題ではなくスマホのせい。同じ公演でもPCに切り替えると問題なく視聴できる。イープラ×スマホ×アーカイブ配信は普通に観れる
・ぴあ×スマホ×アーカイブ配信は、視聴中に一時停止→他のアプリを使用→戻る→動画につながらない など何回か。私の使い方が悪い。集中しろ。
YouTube×スマホ×ライブは音切れもフリーズもなかった。ただずっと画面をつけっぱなしにしていたら始まらなくて冒頭見逃した。(リロードで始まった)
・どこで画質調整できるかのわかりやすさは大事。特にライブ配信だと慌ててしまってギャーとなる(そして結局どこでやるのかわからなかった)
・vimeo×スマホ×アーカイブはたまに音割れしてたけどこれはアップロードされた動画の問題
・観劇三昧×スマホ×アーカイブは普通に観られた
スマホを新しくすればライブ配信も普通に観られるだろうか…?


・プラットフォームが多岐に渡るのでいちいちアカウントを登録しなきゃいけないのが面倒。しかし結構既存のアカウントが使えたのでプレイガイドで配信やるというのは合理的だなあと思った。


・配信によって演劇の存続をはかるならアーカイブはアマプラとかネットフリックスとか、演劇に興味ない人がアカウント持ってるプラットフォームにのせるくらいしても良さそうな気がした。演劇に興味ない人の検索に引っ掛かったりおすすめに出てきたりしてほしい。演劇に興味ない人が出会う可能性やアクセスのしやすさを高めないといけない気がする(新感線がパラビで髑髏城流してるのさすがだなって)
・宝塚はただでさえテレビチャンネル持っていてすごいのに、WOWOWでもやってるし、U-NEXTでライブ配信アーカイブ配信やるようになるし、本当にアクセスの良さがすごい。
・簡単にアクセスできるようにしてしまうと消耗されるというか価値が下がる感もあるかもしれないけど、今は販路を開拓して多くの人に見てもらって裾野を広げることも大事なんじゃないかと思ったり思わなかったりする
・劇場での観劇は「体験」だからオンラインでは補完しきれないという点で演劇配信はオンライン旅行に似ているのでは…と思う。光景の美しさや風の音みたいなものはオンラインでも伝わる、それで感動して、さらに実際に行って自分の身体で体験してみたいという気持ちになるというのが大事なのでは




ライブ配信アーカイブ配信の話

ライブ配信のみの公演で音切れ、フリーズが頻発すると絶望感がすごい
・その点アーカイブ配信があるとあとでカバーできるので少し心の余裕が生まれる(でもせっかく生で観てるんだからそこで観られるのが一番に決まってる)
アーカイブ配信や複数日ライブ配信があると「最初興味なかった人が、観た人の評判を聞いて観てみようと思う」ということが起こるのだなあと知った(数日にわたって公演やるのと同じかんじだな)
アーカイブ配信は神。日中のスケジュールを調整しなくても深夜や早朝に見られる。そしてこれは不快に思われるかもしれないが、移動中や家事の合間に「ながら見」ができるのも大きい。生活への圧迫感が少ない。中断ができるので、面白いものは ながら見をやめてあとで集中して観るという選択ができる。
・配信が19時開始のみで観られなかった作品があった。ライブ配信のみの場合、配信日(平日/土日祝)や時間(マチネ/ソワレ)にある程度バリエーションがあると多様な生活リズムに対応できるのでは……
ライブ配信のみでは「ちょっと興味のある人」はほぼ見ない気がする。スケジュール調整しようと思うくらい「すごく観たい人」とたまたまスケジュールが合った「ちょっと興味のある人」しかみられないような。それで良いならそれで全然良いけどもしそれだけでは収益化できないなら「ちょっと興味のある人」も見られるようにアーカイブしないといけない気がした(しかしきっと権利の問題とか色々あるのだなあ……)
・視聴人数が意外と気になる いきなり1000人とか減ったらどうしようとかちょっと思う(別に表示をなくしてほしいとかではない)
・カメラワークなしで全景でもいいって思う作品ある 劇場でもむちゃくちゃ後ろの席でオペラグラス忘れたら全然見えないことあるもん それでも面白いのは面白い


・配信、映像化予定の有無は公演概要発表時に教えてもらえるとありがたい……………劇場に行かなければ未来永劫観られないのなら、最初からそう宣告してほしい………あとチケットとってから(あるいは劇場に行かないと決心して、チケットを取るのを諦めてから)「配信あるよ」ってなるの、一見喜ばしいようだけど、チケットとる取らないの時点で趣味(演劇or推し)vs 命or生活or信頼で悩みまくって苦しんでいるので、その頃にはだいぶぐったりしている。そんなことで疲弊させている場合ではない……みんな劇場でみたいんだよ、配信でいっか、って思ってるわけじゃないよどうしてもいけないからせめてもの配信なんだよ〜〜


・‪でも、6月に思っていたよりずっと多くの演劇が配信されていてとても嬉しい。‬本当に本当に本当にありがたいと思っている。特に一番難しいのではと勝手に思っていた東宝さんがラボ、SHOW-ISMS、JB、帝劇コンと立て続けに配信予定を組んでいてめちゃくちゃ感動してる。‪SHOW-ISMSで「配信許可がおりた楽曲を…」とおっしゃっていて、ああー配信に漕ぎ着けるまでにたくさんの調整があったのかなあ…!!!!などと想像してありがたい気持ちになった‬。配信があるのは全然当たり前なんかじゃない

・「劇場に行きたくても行けない人」が少数派から多数派になっていそうな感のある今、趣味と生活を天秤にかけなくてはいけなくなっている人も多そうな感のある今、‬‪その「劇場に行かない」という決断に宿る小さくない悲しみや苦しみをどう包み込むかというのは商業演劇の存続に関わる新たな課題なのでは………とか勝手に思ったりした‬。
「行けない」から「じゃあ、もういい」、「こんな苦しい思いをするなら演劇はもういい」ってなってしまったらおしまいなんだよな……いやおしまいじゃないようにしないといけない



● その他いろいろ

・変な話だけど配信は「脱落しやすい」。劇場での観劇は途中退席しにくいけど(そこが良いと思うけど)配信なら「合わないな」と思ったら「観ない」という選択を気兼ねなくできる。観劇ってお金だけじゃなくて時間や体力も費やしているけど、途中退席できれば時間や体力を他に回すことができる……ので、その手軽さは普段演劇をあまり観ない人にもとっつきやすいのではないか……と少し思った。
・配信だと最悪見られなくても空席ができない、というのがとてもありがたい……劇場で直前に体調悪くなったり仕事で都合悪くなったりで空席作ってしまうのむちゃくちゃこわいので……(劇場でも当日券に回してもらえる仕組みがあるといいのにな)
・配信、移動しなくていいので多ステしやすい(←これ、配信のものすごい強みだと思う。アーカイブで何度でも観られるから配信は1日分でいいやーなんて思わない。あるならあるだけ観たくなる。だって全部違うから。劇場へ全通は無理でも配信なら全通するかもしれない)
・配信チケットの価格設定は難しそうだ…


・話それるけどプラットフォームが分散してアカウント登録面倒な話、クラウドファンディングの時も同じことを思った。何か応援したい気持ちはあったけど、個人情報をあちこちに登録することにちょっとためらいを感じた。自分は結局あちこち登録したけど、それがひとつハードルになってる気はする。ニックネームだけで支援できたらいいなあとかどれかひとつのサービスに演劇系のクラファンがまとまってたら嬉しいなあと思うけど、そういうわけにもいかないというのはわかる(ので言ってみただけ)
・あとクラファン、支援対象(誰の力になれるのか)がしぼられていればいるほど支援しやすいのでは……とも思った 劇団四季クラウドファンディングですって言われたら劇団四季の力になれるってかなり具体的なイメージわくので支援しやすい しかしそれが適切でないケースがあるというのはわかる(ので言ってみただけ)


・調べもせずに書いてしまうけど権利の問題で配信できない(=劇場に行けない人は未来永劫観られない)って、ひょっとしてわりと演劇特有のできごとだったりする…?映画は映画館で観られなくても我慢して待てば円盤か配信で見られるような気がする。音楽ライブはアーティストさんの予算や信条が許せば、あと楽曲さえ気を付ければ配信できそうな気がする。スポーツの試合も同じく配信?中継?できそうな気がする…わからないけど…
「観られる人」と「全く観られない人」が出てきてしまうのってもしやけっこう演劇だけ?



・配信は劇場での観劇の完全な代替にはならない。体験の大部分は損なわれる。生で観たほうが良いに決まってる。それでも、作品の良さは、客席の感動はこちら側にも伝わる。
・こちら側の感動は劇場に伝わっているのか?どうしたら伝わるのか?アンケート書けば伝わる?SNSで感想書いたら伝わる?



以上