王様の耳はロバの耳

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ハイステ “東京の陣” 感想メモ

先日、「ハイパープロジェクション演劇ハイキュー!! “東京の陣”」を観劇しました。
すごい面白かった。


以下、感想メモです。



● オープニング

「あれ?ハイパーヒプノシス演劇ハイロー!! を見に来たかな?」と思いました。東京ディビジョン。
あとジャニーズカウントダウンコンサートっぽい感じもある。盆と大晦日が一緒に来たなみたいな。
木兎さん、あの白黒もふもふ衣装を冗談抜きの本気で着てるのほんとすごくて、それだけでオープニング大興奮でした。
あれに着られず着こなしてみせるってトップアイドル並みの存在感だよ!!


3つのグループ(高校)のコンセプトが冒頭ではっきり示されててめちゃくちゃいいし、
何よりそれぞれのグループ(高校)のセンターが誰なのか一発わかるのが最高なんですよね……私はセンタータイプの人のファンになることはあまりないのですが、好きになったグループのセンターには永遠にセンターでいてほしいと願うオタクです。


● 戸美高校

大将さんについて語りたいんですけどその前に、
戸美の5番やばくない……?
広尾さんです。
個人的に容姿が好きというのもあるんですが、動きが!動きがなんかすごい!!
スパイクとかサーブとかなにかのアクションをするたびに余韻で
ニョロロロローン、、、
ってするのがめっちゃ蛇で。
広尾さんの腕なんかのエフェクトかかってる!?と思わず双眼鏡を覗き込みました。生身の腕だった。
戸美は蛇がモチーフになってると思うんですけど、広尾さんは蛇に憑かれてるレベル。ひろおスネイク。阿良々木くんちょっと来て!!!と思いました。そういえば広尾さんと阿良々木くん少し髪型似てるな…


あと、みんなで踊ったりしている時も一人だけニョローンの余韻が微妙に長くて最後まで残っているように見えたのですよね。
それによって、戸美の圧倒的ヘッドである大将さんに対して、尾っぽ、しんがりの広尾さんというイメージが見えまして、より戸美が蛇っぽく猫に絡んでるように感じられたような気がします。
身体の使い方に長けているように見えたのでダンスが得意なお方なのかなー、と思ってプロフィールを見たら「特技 ピアノ」って書いてあって「ピアノ…!」と思いました。
ピアノが特技の佐藤たかみちさん。覚えた。



そして、大将優。
すぐるはあまりにもすぐる。
福澤さんの見た目、演技、ダンス、そして雰囲気、あまりにも過不足なくすぐる。
「これが……2.5次元……!!」と思いました。いつも誰かしらで思わされることですけど、この驚きはほんと何度体験しても快感ですね。
あと声がね!!!
私のイメージとは違ったんですけど、少しざりっとした氷砂糖のような声がヒールらしくもあり、ミカちゃんと話す時とのギャップも生んで最高に良かったです。あとなんか彼が色々言ってるとだんだん「そうですよね……」と思えてくる。脳にじわじわくるっていうか。
すぐるなーーー、本当に良かったんだよな〜〜!!
スター型主将とリーダー型主将に並び立って遜色ないコンセプト型主将〜〜!!
今までの高校のセンターの方々を思い返して、最後にこのすぐるを見せられたら、
新しい日向にも期待しかないな。



戸美、ハイキューにはめずらしくかなり悪役っぽい描かれ方もしていると思うんですけど、
役者さん全員が彼らの信念をちゃんと大事に見せていてくれて嬉しかったです。
舞台上の空気の歪み、捻れた雰囲気を創り出していた戸美はあまりにも戸美だった。
曲もかっこいいしそれを歌負けせずにカッコよく歌って踊る戸美メンの完成度よ。
SHaaa SHi SHi SHi、みたいなフレーズかっこよすぎじゃない??
ヘビってめっちゃイケメンなモチーフだったんだなあ。戸美、デビューさせたい。
そして和田さん、SixTONESに楽曲を提供なさったりしないかななどと思いました。




● 梟谷高校

今回も木葉さんが好きでした!!!!
東さんの木葉さんほんと楽しそうで大好きなんだよな……キラキラして見える。
なんかこう、目が離せないし、応援したくなるし、今この瞬間を生きてるし、教室ではチャラいと思ってたけどたまたま部活中の木葉を見かけて「木葉ってあんなカオ……するんだ」とか同級生に思われてそうだし、小学生にバレーを教えるのが一番うまそう。
なんといったらいいのか、なんか、物語の外にある日常を想像させる佇まいなんですよね。
ハイステのおかげで好きになったキャラ暫定第1位、木葉さんです。


梟谷はみんな楽しそうなんだけど、条善寺の時の楽しさとは違ってやっぱ強豪だな、「楽しむ為には強さが要る」だな、と思えるのがまた演出・役者さんたちのすごいところ。
そして、木兎さんと赤葦さんがむちゃくちゃ安定していてなんかいろいろ泣いた。
良かったね……
赤葦さん役の髙﨑さん、結構滅茶苦茶なセリフ言ってるのに「自分で言って笑ってしまう」を絶対にしないのすごいなと思いました。


梟谷のガッとした勢いと団結には優しい説得力があって、「ああ、音駒、勝てないな」とわかってしまう、そこがまたすごくて胸がぎゅっとなりますね。




● 音駒高校

あかねー!!!!好きだー!!!!
拡声器とあかねちゃんのバランス最高かー!!!拡声器選んだ人ありがとうございます!!!!
私、やばい2.5次元には「フィギュアに命が宿っちゃったみたい」と思うことがよくあるんですけど、重石さんのあかねちゃんはまさにそれ!!
快活で弾けるような女の子、可愛かったな〜。
アリサさんも綺麗で声が耳に優しくてうっとりした。今回、声が良い役者さんが多かった。


あと、私の中で常々「ハイステなぜラップしてしまうのか」問題と「ハイステなぜ歌ってしまうのか」問題が持ち上がるんですけど、いや悪いことだと思ってるわけじゃないんですけど。
今回あかねちゃん見てたらすっごいしっくりきて、
あの試合中の歌は誰に届くか知れない「声」を舞台的に表現したものであり、
あるいは応援歌、あるいはベンチのメンバーの必死の祈り、あるいは、コート内の彼らが心の中で自分自身を奮い立たせている姿のあらわれなんだなってはじめて思い至りましたね……
フィギュアの選手が試合前にテンション上げるために聞く音楽とか、
甲子園で演奏されるチャンステーマとか、
できる、落ち着け、って自分に言い聞かせる言葉とか、イマジネーションとか、
ああいうのの表現なんだなーって。


ハイステは初めからカウントと決まり事だらけの舞台だったと思いますけど、それに慣れて「余白」に感じられるようになった部分にさらに言葉とリズムと節回しが書き込まれていってどんどんどんどん情報量が増えていっているので、次どこに何が書き込まれるのか楽しみです。




音駒はもう超超安定してて、前回の烏野もそうだったけど、もう何も言うことないな…!!って思いました。
信頼と安心で溢れている。
それがほんとうにどれだけ稀有で、ありがたいことなのか。
ひしひしと感じています。


烏野がいなくなってどうなるんだろうと少し不安でしたが、
今作を見て、私個人的には、「ああ、すごい。大丈夫なんだな」と思いました。
仕事でキーマンが抜けるとか、部活でエースが引退するとか、やばいじゃないですか。周りが存続の危機を危惧するじゃないですか。
でも抜けても結構そのまま維持できてたりすると、「なんだ、意外と大丈夫なんだ。」とか言われたりするけど、違うんですよね!!!
あれは抜ける側と残る側の引き継ぎと覚悟と努力の賜物であって、ほんとはぜんっぜん大丈夫なんかじゃなくて、必死に穴を開けないように、抜ける人が渡して、渡して、残る人が受け取って、受け取って、埋めて埋めて、何事もなかったように、何事も起きないようにしてるんだと思うんですよね!!!!
烏野から音駒へ。そして梟谷へ、戸美へ。
繋がったんだね、と思いました。
以前、須賀さんとウォーリーさんと和田さんの対談で「ハイステを長く続けていきたい」と皆さんがおっしゃっていましたけど、これなら本当に続きそうだな、って思いました。
当時は、烏野変わっちゃったら無理じゃないかなー?と思いましたけど。
そんなことなさそうなの、すごいね。烏野。すごいね。須賀さん。礎を作ったね。
そしてそれを繋いでくれた音駒キャストの皆さん、本当にありがとう。




その音駒、理想の兄選手権やってるのかってくらい兄みが強い。
夜久さん海さん2人とも声がいいー!!動きがいいー!!THE安定感。なんなの?キャスティング最高じゃない?(今更)
山本兄さんのさー、守ってあげたい輩感っていうの…?いいですよね…彼の葛藤、いっつも泣いちゃうんだよなあ…
福永さん、キャストが変わってもアクロバティックで嬉しかったです。2年トリオ可愛いんだよなあ。わちゃわちゃとはちょっと違うんだけど。ごちゃって感じで。
リエーフ、研磨との絡みとか良かったー!石倉さんはいろんな強みがありますね。
芝山くんはめちゃ芝山くん。オーディション会場に入ってきた瞬間選考員全員が満場一致で「芝山くんが来た!」って思ったやつなんじゃないかって考えながら見てました。演技も良かった!!





黒尾さん。
近藤さんの黒尾さんは、前も書いたかもしれないんですけど私の中のクロイメージとは結構違ってて、原作の黒尾さんは前世が野武士っぽいんだけど、舞台の黒尾さんは前世がヴィジュアル系貴族っぽい(個人のイメージです)。
だけど根底が確かに同じという印象があって、何度見てもすごいなあと。
彼の懐の深さと、キャプテンとしての背中と、執着と。


研磨の繋ぐ「関係性」が今回の試合ではそんなに多くは描かれていない分、
黒尾さんの紡いでいる関係性が今作の頼みの綱みたいなとこがあって、
登場する高校や人物たちが全員わりと黒尾さんを経由地として繋がってるんですよね。
そして烏野メンバーの残像が舞台上にちらつくのも彼の存在が大きいような気がしました。
第三体育館組だしなあ。
その重さに耐えうる立ち姿。
とにかく背中がさあかっこいいんだよねー!!!
なにかを背負うのが似合う、すっごい頼もしい役者さんだと思いました。



一方研磨くんは、
「やくそく」というキーワードで主役として物語を紡がれてはいましたけど、彼自身に何か劇的なことが起こるかというとそうでもないという、微妙な立ち位置で。
烏野復活の時の日向影山コンビもそうでしたけど、物語を区切った時の、仲間たちが輝く中での「あまりわかりやすいドラマがない主役」ってなんか難しいよなあと思います。
しかも永田さんの研磨は相変わらず、ほんとに、本っ当に立ち姿に覇気がない。


前にも書きましたけど、
「熱量」がひとつの売り文句にもなっているこの舞台で、
冷や水」と言ってもいいような研磨の佇まいは、誰より異質で、危ういなと思います。
生の舞台で、直接他のキャラクターたちの「熱」や「圧」を肌で感じるからこそ、
よりリアルに研磨という存在に違和感を覚えることができて。
音駒の昔の先輩たちは彼の「この感じ」に対して「やる気がないならやめろ」とか言ったんだろうなあって、すっごくわかる。


研磨の、周囲とは方向性の違う「熱」や「圧」や「愛」を、全力で内側に振り切って舞台に立っている永田さんには感服します。永田さん自身は全力で外側に見せたいタイプに見えるので、余計に。
だから、これで春高のゴミ捨て場の決戦にのぞむ研磨が永田さんじゃなかったら、ウソでしょ、と思います。
孤爪研磨ってなんだったのか、
あの境地の研磨を表現できるのは、ここまで爪を研いできた永田さんしかいないでしょ。と勝手に思っている。
待ってます。





以下、ついでに(?)。


● 新生烏野

のんびり書いていたら烏野の新キャストが発表されていました。
いちばんに「おおっ」と思ったのは日向役の醍醐さんで、ペダステの坂道役のあとに新海誠監督の次回作の主役にも抜擢されてたじゃないですか、いやあすごい子がいるなあと思ってたらハイステの日向も掴み取るってほんとすごい。『天気の子』公開後にハイステですよね。むちゃくちゃ楽しみ。
そして月島役の山本さんもびっくり!私は小坂さんを超える月島蛍は未来永劫出てこないと思ってるんですけど、こうやってビジュアルを見ると「確かにこういう月島もいるかも…シュッとしてる…スタイリッシュ…」って感じですでに好き。 山本さん、舞台に立つと余計にシュッとして見えるんですよね。コメントもめっちゃしっかりしている…
あと空手とダンスの心得がある方が演じる影山ってすごい期待しかない。赤名さんの持つバックグラウンド、影山の動きに似合いそうな気がします。木村さんはリアル影山、影山さんはリアル飛雄だったけど、赤名さんはリアルトビオって感じになるかな……!?
そして何より日向影山の変人コンビが2人とも2000年生まれで若い!!一般的には高校を卒業したばっかりの年代ですもんね。次からは変人コンビの若さ、青さが描かれていくターンだと思っているので、ぴったりの配役だなあと思います。
他の皆さんもほんとワクワクします。コメントとかほんと次世代…!
なんか、せっかくなので今までとまったく違うものが見れたら嬉しいですね。
楽しみだなー!!!
















……でも改めて思ったのは、初代烏野最高だったな!!!!!!
ってことです。(交代組含)
あのシーンとかこのシーンとか、初代にやってほしかったのたっっっっくさんある。
だからこそ、新生烏野には期待しています!!!