王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

ジャニオタがCUBERSのアルバム『マゼンタ』を聴くとあの頃に戻れるよ




……という噂を耳にしたので聴いてみました。



戻りました。




この記事は

○ CUBERSのアルバム『マゼンタ』について
○ V6ファンの端くれである筆者が
○ 感じたことをただそのまま吐露するだけ

の記事です。


※ ただの個人の感想です。
※ 長いようですが後半はただのおまけです。






CUBERSとは

2015年7月に結成された、5人組の"聴けるボーイズユニット"だそうです。
所属事務所はつばさプラス。水曜日のカンパネラのところ。


公式サイトはこちら。
cubers.jp




『マゼンタ』はCUBERSの2nd EPとして2017年10月4日発売されました。
常々「EPてなに」と思ってたんですけど、今回ようやくググってとりあえずミニアルバム的なものと解釈しました。
こちらは全6曲です、少ないので聴きやすい。


以下、その6曲の感想。




1. 君に願いを

アイドルソングど真ん中の超王道神曲
単刀直入に言ってエモい。初めて聴くのに前世で聴いてたんじゃないかってくらい耳に馴染む。
90年代以降によく見られる「君らしさ」系アイドルソングだと思うのですが、それに加えて多分ストリングスとかギターとか鍵盤とかキラキラキラキラとか音の組み合わせがエモ要因になってる。
この音楽ジャンルをなんて呼ぶか知らないので、とりあえず心の中でそっと星野源さんの隣に配置しました。


そしてこの歌詞、青春真っ只中な歌詞の、森羅万象と「君」とを強引に結び付けてしまうダイナミズムと無鉄砲さですよ。虹村億泰かよ。
そこをCメロで一旦日常に戻してからの大サビ、盛り上げ方も完璧です。


2. カラフルにしよう

地味だけど堅実な神曲
シングルならカップリング曲だと思うし両A面なら両A面なのに影が薄いほうのやつだと思う。そしてなんとなく聴いているうちに結構好きになって最終的にコンサートでわちゃわちゃしてるの見てハマるやつだと思う。どうせ振り付けもめっちゃカワイイんでしょ…!?知らないけど…!!


AメロBメロの歌割りを聞いていると、むかしV6の新曲がラジオで初オンエアされるたびに
「またソロなかった!でも2番にあるかも!!いやでも2番じゃ音楽番組で歌う時カットだしな。待てよ大サビ前にワンチャンあるかも!!!」
などと一喜一憂してた頃を思い出します。


この現象が起きるのはたぶんCUBERSのメンバーの声がバラエティ豊かで素人の私でも聞き分けしやすいから。


あとV6もそうなんですけど、声が高い人、低い人、歌の上手い人、色々いて、そうするとその全員の声が合わさった時になぜか「ああこのメンバーで良かった……神様ありがとう……」みたいな気になるんですよね。何目線。アイドルのユニゾン、特別な波長で聞こえがち。


3. PINK

懐かしの神曲
イントロの「アイドルオンステージでジュニアが歌う先輩の歌」感がすごい。
そんで歌い出しで






坂本 昌行
ジャニーズSr.


ってテロップ出そう感がハンパない。
しかもAメロ→Bメロ→サビの流れの簡潔さがむちゃくちゃ一昔前の歌。
極めつきのサビ、あっこれ少年隊だ。たぶん。
このサビが簡単な英単語で中途半端に終わる感じがめちゃくちゃ良い。
この歌を聴いて脳裏に浮かびまくるシンメとかいう概念さだめ



4. いつか忘れられるさ

唐突な神曲
インストです。PINKで上がったボルテージをクールダウン。


5. 今日はどんな日だった?

「あ、しっとり大人っぽいこの感じ、トニセンかな〜?」

「カミセンだったーーー!!!」
のカミ曲。
「紅だー!!!」くらいの勢いだよ。
※ ちなみにカミセンはV6の若い3人(森田さん三宅さん岡田さん)のことでトニセンは年長3人(坂本さん長野さん井ノ原さん)のことです。カミ曲トニ曲は大体声の高さでわかる(カミセンの方が高い)。


この曲は他と違って歌い出しが高めの声のメンバーさんなので新鮮味があります(多分)。6曲という限られた曲数の中で、ある程度繰り返しを積み重ねて5曲目で裏切るって芸当すごい(多分)。


そんでこれあれでしょ……わりととんがった演出の多いカミセンが、いやカミセンの歌じゃないんだけど、もしカミセンが歌うなら、丸い雰囲気でカーネーションとかガーベラみたいなお花を一輪持って歌うやつでしょ……それか最後にキャンドルそっと吹き消すだけで何年も語り継がれる伝説になるやつでしょ……あっ違う……「3人並んで外周歩いてるだけで尊い」ってなるやつだ……


6. ボクラチューン!!

安定の神曲
ここまで来ると信頼性が高すぎる。
SMAP『SUMMER GATE』をはじめとするいて井手コウジさん楽曲やキスマイの『キ・ス・ウ・マ・イ 〜KISS YOUR MIND〜』『キミとのキセキ』とかが好きなんですけど、このEPはそのあたりにギュンギュンきますね。アイドルソングを作ろうとして作っている感じ、フレーズを耳に残そうとして残している感じが。特定の層を掴みに来てますよね。


全体を通じてコンセプトがわかりやすく、かつ6曲という少なさが「ちょっと聞いてみてもいいかな」という気分にさせるので、知らない人に「これ聞いて!」って布教するのにぴったりだと感じました。


現に自分もまんまと布教されたわけですけれど、もし12曲あったら絶対1曲も聞いてないですね。なんか気が重くなる。
6曲でも1曲目が『カラフル〜』『ボクラ〜』あたりならその時点で「あーこんな感じね」みたいにわかった気になって聞くのをやめてる気がします。
『君に願いを』からの期待値あっての後続曲に対する受け入れ態勢なんですよね。
まずは1曲でも聞かせる、そして次も聞いてみようかと思わせる。
よくできてるなあと。


曲調自体は王道を踏まえているなあと思うんですけど、歌詞を見るとやっぱり現代の空気感もあって。
キラキラの中に今と昔を閉じ込めたような、なんていうか、ほら、あれ、あのー、レジンのピアス、みたいな。あのきれいなやつ……
私の中の彦摩呂さん「『マゼンタ』は アイドルソングの 宝石ば(以下略)





ちなみに『君に願いを』のMVはこちら。


youtu.be



「言うほどでもないじゃん」って思いましたでしょ?そこからだから!!そこから!!
こういうのネットで見られるっていいなあ……。
布教という面に限ればアクセスしやすさって無茶苦茶大事ですよね。
こちらを見て「やだ……引きで見たら家電量販店の精鋭さんたちみたい……かわいい……」と思った方は気をつけてください。
足元、ぬかるんでますよ。





以下、おまけ。
このEPの楽曲を聞いて私が戻っていた「あの頃」、思い出していた「あの歌」の一部を一方的にご紹介するよ!!!!!
V6ファンなのでV6の宣伝もする。
他のグループでもきっと思い起こす曲があるんじゃないかと思うんですよね。ぜひ聞いてみたい。絶対好きだもんなあ。


1. 君に願いを

○ 微熱のWoman(1997)
『君に願いを』の「君」と「僕」の年齢層が少し上がったらこうなる。
多分音楽のジャンルは近いんじゃないかと思う。でも星野源さんの隣かって言われると違う気もする。『君に〜』よりちょっとしっとり。
あと「君」は念のため病院行って。


○ キミヘノコトバ(2003)
音楽のジャンルは違うけどこちらも「君らしさ」アイドルソングの系譜。
シチュエーションが近い分、「メール」と「メッセージ(おそらくLINE)」といったコミュニケーション手段の違いなど、歌詞に反映されている時代のギャップが際立っていて面白い。


2. カラフルにしよう

○ オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ(2008)
トニ曲。
音楽ジャンル的に一番近いのはこれじゃないかなあ。
年齢層がだいぶ高くてなんだか励まし内容が切実になっている。特にBメロが重い。
「オレ」も「キミ」もみんながんばれ。


○ IN THE WIND(2000)
『カラフル〜』の方向性をめっちゃハードにしたやつ。
シングル曲は極力避けたけど、これははずせなかった。
今聴いてもすごくカッコよくて好き。
PVも一番と言っていいくらい好き。


○ nostalgie(2008)
『カラフル〜』のサビのエモさを煮詰めてPerfumeをまぶしてアイドルのユニゾンの特別な波長で包んで叩いて伸ばして謎の「引き」を生み出しているのがこちら。
ジャンルは違うけどサビの展開の仕方は近いと思う。
イノッチの裏声さあ……好き……


3. PINK

○ X,T,C,beat(2001)
少年隊み対決。


○ MIX JUICE(1997)
アイドルオンステージでジャニーズSr.が歌いそう対決。


4. いつか忘れられるさ

Dahlia(1998)
意外とシティポップ風なV6の楽曲ってないかもと思ったので、ちょっと路線違うけどなんとなく一服感つながりで。トニ曲。


5. 今日はどんな日だった?

○ Be with you(2002)
これしかない。カミ曲。
カミセン3人並んで外周歩きながらこれ歌ってくれたらもうそれでいい。


余談ですけど、当時のカミセンはコンサートで他のアーティストの曲を歌うことが結構あって、中でもケツメイシの『手紙〜未来』という歌は2002年コンサートのまさかの本編最後で歌われまして。
そこまでして歌われたその歌と、同じ年に発表されたこの歌、なんだかセットでメッセージが込められているような気がして、当時交互に聴いては彼らの心境に思いを馳せたりしていました。
そしてケツメイシを好きになった。(うっかり)


その時はなんとも思わなかったけど、『Be with〜』、今聴くと「流れて消える星のような 少年時代」という歌詞が胸をえぐります。本当にあっという間だった。
実は『手紙〜未来』の方で歌われている「未来」=十年後、つまり2012年はもうとっくに過ぎていているので、一体彼らはどんな気持ちで“手紙”を受け取ったのかなあと今になって考えてしまいました。
でも2009年の楽曲『ファイト』からそれが垣間見れたような気もする。戦ってきたんだなあと思ったし、戦ってるんだなあと思った。
急に文章なげーな。思い入れ強すぎかよ。



○ WALK(2011)
『今日は〜』は1日単位の回顧と展望だけど、こちらは「この20年どうだった?」くらいの桁の違う回顧。6人組尊い
この曲、V6に興味がない方も推し集団の脳内PVとか想像しながら聞くと捗る可能性があります。


6. ボクラチューン!!

○ ミュージック・ライフ(2012)
『ボクラ〜』から思い起こされた曲を書くということは「推しの軌跡を“歌”という観点から映画化した場合にエンディングテーマを何にするか」という重すぎる命題に答えることと同義だと解釈して選んだ一曲目がこちら。
聴いてるとエンドロールが見える。


○ SPOT LIGHT(2015)
二曲目。
こちらはどちらかというと“アイドル”の側面が強い。
後奏でたたみ掛ける振り付けありきで完成する、最高に大好きな曲。


○ Live Show(2007)
三曲目。
“人前に立つ職業”の気概を湿度めっちゃ低く歌い上げた歌。





以上、CUBERSの音楽にまんまとしみじみしてしまったジャニオタが過去を振り返りさらにしみじみする記事でした。
誰かに聞いてもらいたいなら6曲までってCUBERS先輩が教えてくれているのにこの曲数。思い入れを制御するのって難しい。




CUBERS先輩は4月18日に4枚目のシングルが発売されるそうです。気になる!!!
あとV6は本日3月14日(水)に2017年ライブの円盤が発売されました。
最高だから見て!!