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ドラマ『弱虫ペダル』のだめなとこぜんぶ言う

※ 最初に書いておきますが、これはドラペダの批判的感想に見せかけたただの個人的なドラペダ推し記事です。



12月22日(金)に最終回を迎えるドラマ『弱虫ペダル Season2』(通称ドラペダ)。
今この記事を見てくださっているということは、「ドラマ 弱虫ペダル 感想」などで検索された可能性が高いのではないかと思いますので、参考までに私が個人的に感じたドラペダのだめなとこを全部書きます。


1. 画面が安っぽく見える

背景の合成が多いのでどうしても安っぽく見えてしまうことがある。予算と人体の限界を感じる。

2. 画面が知らない人ばかり

舞台俳優中心のキャスティングのため、テレビや映画で活躍している役者さんがほとんどいない。
つまり大多数の人にとっては馴染みがなく、知らないアイドルグループを見ている時の「みんな同じ顔に見える」「どこがいいのが全然わからない」と同じような心理状態になる。

3. 演出が古い、あるいは子供っぽい

人物の周りに赤いオーラが出たりする。
その他、画面に台詞の一部が表示されたり、盛り上がってくるとテーマソングが流れるなど、前時代的、あるいは子供向けのような演出が多く見られ、仕事や家事に追われる現代人はそのテンションについていけず振り落とされることがある。

4. テレビ向きではない演技

舞台を中心に活躍されている役者さんが多いため、テレビサイズではない演技になることがある。仕事や家事に追われる現代人はそのテンションについていけず振り落とされることがある。

5. あきらかに高校生ではない人がいる

高校の自転車競技部の話なのに、部員の中に高校生に見えない人が割と多くいる。仕事や家事に追われる現代人は「あれ?この人自分と同い年くらいじゃね?」と思うことがある。

6. なんだか不自然な風貌の人がいる

髪の毛が緑色の人やアホ毛が強調されている人など、「現実にこんな人そうそうおらんやろ」な人が普通の顔でいる。たまたまテレビの前を通った人は二度見する。

7. お金を払わないと見られない

BSスカパー!」で放送しているため、スカパーに加入していないと見られない。環境によってはアンテナ設置まで必要になる。
よってちょっと興味があっても気軽には見られず、大抵の人は別にわざわざ加入手続きするほどの興味はないのでそのまま忘れる。









あとは……











……あとはー。












……そんなとこですかね。
そんなとこです。それくらいです。
それくらいしか思い浮かばないです。
むしろこれも相当しぼりだしてます。
ていうか内心これ「だめなとこ」だとも思ってないです。
正直タイトルつけてて心痛くなりました。関係者の方すみません。
だってドラマ『弱虫ペダル』は本当によくできているから!!!







どのくらいよくできているかというと、昨今における実写化七不思議


○ 謎のオリジナルキャラクター
○ 謎のオリジナルストーリー
○ 謎のオリジナル設定
○ 名前だけが生き残ってしまった別人
○ 消えた推しの推しどころ
○ なんの関連性もない主題歌
○ とにかく原作のいいところ皆無


これらのミステリーがひとつも生じていないんです。
謎なし!見ている途中の「?」「???」「?????」なし!!
「あいつどこいった?」「あれどうなった?」「え、今の何?」「は?」「こんなの○○じゃねーー!!!!」なし!!!
ストレスフリー!!
(※個人の感想です)





この作品のすごいところは、「原作を実写化する」、ただその一点に勝負をかけている点です。



原作を実写化する。
漫画の実写化作品なのだから当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、この作品ではそこに並々ならぬ情熱が注がれています。


キャラクターの再現。
自転車の再現。
ロケーションの再現。
走りの再現。
レース展開の再現。
ストーリーの再現。
これらをとらえる構図の再現。


漫画に描かれている事、物、すべてをこの3次元の現実世界で忠実に再現したい、そんな気概が画面の隅々にまで溢れているのです。




先程あげた「だめなとこ」(だめじゃないけど)は、その「忠実な実写化」のいわば弊害(害じゃないけど)です。
「マンガ」を2次元から3次元に引っ張り出す時に生じたノイズと時空のゆがみです。テレビサイズにはまらない、そこがいいんですよ。


だってほら!ジャニーズが実写化やったら「またジャニありきで原作選んだんだろ、そうじゃないだろ原作ありきでキャスト選べよ無名でもいいから〜〜〜〜〜〜!!!」って思うじゃないですか。あれを実際にやってるのがこのドラマです。
いや私はジャニオタなのでこの現象についても思うところあるんですけどそれは今は置いておいて。



テレビでほぼ無名の彼らは、今は全員同じような顔に見えるかもしれませんが、実はキャラクターを確実に召喚するために選ばれし精鋭たちなのです。


見た目、声、体力、運動神経、熱量。
すべてを兼ね備えていないと、この漫画のキャラクターは再現できません。
たとえばお腹から声が出せるかどうかとか、全力で自転車漕ぎながら叫んだりするこのドラマではものすごく重要なんです。
それを彼らはやってのけている。
もっと言うと、それをやってのけるような役者さんたちを、制作陣がきちんとキャスティングしている。


こんな感じで。

youtu.be



いやーーー委員長(メガネの女の子)、めっちゃ委員長。ちょっと「弱虫ペダル 委員長」でググってみてくださいよ……。
御堂筋くん(紫の人)なんてむちゃくちゃハマってるけど現役MEN’S NON-NOモデルさんですからね。本当によくこんな方見つけてきた……





これと同じようなことが役者以外にも言えます。
なんといっても自転車。
メーカーやモデル、カラー等々原作に忠実に、丹念に、全員分。
こんな感じで。

www.ysroad.co.jp



現場が原作を尊重してくださっている。
そしてそれを阻害しない環境がある。ここ大事……。





昨今の実写化七不思議は、いろんな事情があることと思うんですけど、
私はこのドラマが成功して、「原作に忠実に実写化することは、作品の成功につながるひとつの要因になりうる」という認識が少しでも広まってくれたらいいのになあと思っています。
だからたくさんの方に見ていただきたい……。




でも、きっと上記のようなところが気になって「引いちゃう」人も多いのではないかと思います。あとは推しキャラの役者が好みじゃないとかね。
それは仕方ないです。ドラマなんて我慢して見るものではない。




ただ、少しでも「興味はあるけど……」、と思ったら。
ぜひ、だめなとこにはちょっとだけ目をつむって、しばらく見続けてみてください。
もしかしたら、だんだん気にならなくなるかもしれません。そのうち慣れてくるかもしれません。愛着がわいてくるかもしれません。「推し」ができるかもしれません。主題歌が流れてくるだけでウルっとくるかもしれません。原作をポチっているかもしれません。キャストの名前をググっているかもしれません。「えっ、この人この役もやってるの!?」
ほら、もうそこは沼のほとり。
ようこそドラペダ沼へ。





ちなみにアンテナがなくてテレビで見られなくても、スカパーに加入できればネットのスカパーオンデマンドで全話見るという方法もありますので!ぜひ。
最終回が終わった後もしばらくは見られるのではないかと思います。





最後に、弱虫ペダルにもキャストにも自転車にも興味がないのに、ここまで読んでくださった方へ。


このドラマについて「原作ものである」という点を抜きにして見たとき、じゃあ他にどこが素晴らしいかというと、
「十数人のメインキャラクター全員に見せ場が用意されており、それを役者全員が誰一人として場を壊すことなく全身全霊をかけてまっとうしている」
ところだと思うのです。


これも何かのご縁なので、お時間と機会がありましたら、ぜひ。


www.bs-sptv.com




※追記
スカパーには2週間無料お試し体験というのもあるみたいですが、加入してまで…という方は、Season1がNetflixその他で配信されています。DVDレンタルもあります。
ただしSeason1はさらにクセが強いです、が、そのままSeason2まで見続けると役者の演技やこの実写化プロジェクト自体の成長をむちゃくちゃ堪能することができます。Season1の加入者数・視聴者数的成功あってのSeason2なので。数字大事……
GyaoのSeason1第1話は無料で見られます。
ドラマ「弱虫ペダル」 話数限定 第1話 アキバにタダで行けるから-動画[無料]|GYAO!|ドラマ

Season2もそのうちソフト化されると思いますので思い出したらお手にとってみてください…