王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

『かぐや様は告らせたい』の感想メモ


最近気力がわかずに「横になってスマホを指でスッスッてやる」くらいしかできない時があるのですが、そんな状態でも気楽に読めて、なんならちょっとにやけるくらい穏やかな気持ちになれる漫画に出会いました。



かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』。



週刊ヤングジャンプで連載中の赤坂アカ先生による人気ラブコメ漫画で、今年の次にくるマンガ大賞」コミックス部門1位にも輝いた作品です。
面白いという評判を耳にしたことはあったものの、ヤンジャンなので普通の青年漫画かと思って特に興味も持っていなかったのですが、うっかりクリックしたツイッターのプロモーションをきっかけにはまってしまいました。
ツイッターのプロモーションでプロモートされる人とか実在するんですね。私だ。



この漫画はとにかくサクッと読めて、つらい展開が長く続くこともなく、それでいてしっかり萌えさせてくれるので、
「ピュアな恋愛漫画で癒されたいけど、些細な誤解とかライバルキャラの引っ掻き回しとかでヒロインが悩み苦しむ展開は今は耐えられない…しかし少女漫画は大体そういった時期がある……そこを乗り越えてこそ2人の仲は深まるのだ……わかっている……だがしかし耐えられない寝よう」という私にはぴったりな作品でした。


ぜひ少女漫画好きの方におすすめしたい!!そんな漫画です。


せっかくなので好きなところと感想をメモしておきたいと思います。




● 一挙両得なテイスト

まずは公式サイトよりあらすじ部分を引用させていただきます。

家柄も人柄も良し !!
将来を期待された秀才が集う秀知院学園 !!
その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過 !!
プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、”如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった !?
恋愛は成就するまでが楽しい !!
新感覚”頭脳戦”ラブコメ、開戦 !!


このあらすじそのままの、小気味よい漫画です。
作品のノリはいったん少年漫画『帝一の國』と少女漫画『君に届け』を足して2で割った感じをイメージしていただけると少し近いかもしれません。え、なんでその2つ足したん?



www.s-manga.net


www.s-manga.net


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いや実際に足したわけじゃないんですけど、この漫画にはいくつかの類型がいっしょくたに取り扱われていて、そのテイストの混在具合がものすごい良い塩梅になっています。
帝一の國』のような勢いと劇画感が『君に届け』のようなもだもだするような甘酸っぱさと愛くるしい絵柄に溶け込んで、疾走感と爽快感そして切実さを併せ持つ可愛らしいラブコメが醸成されております。


よって、「今すごく『帝一の國』(全14巻)と『君に届け』(既刊29巻)を全巻読み返したいのだけど、忙しくて時間がないのよね…」というあなたにぴったりな漫画です(既刊7巻)。たぶんこの作品読んだら元気になって勢いで帝一と君に届けも読んじゃうと思う。ていうか読んじゃった。そんで全部面白いから。ほんと。



● 正統派の王道ラブコメ

なんかPC版のブログ表示、↑のタイトルの「ラブコメ」の「ブコメ」だけ字が小さくなってますね。
「王道ラコメ……」みたいな。なに途中で自信なくしてんの。違うんですすみませんキーワード自動リンクのせいです。筆者は自信を持って王道ラブコメだと思ってます!!
(※スマホ版で読んでくださってる方は意味わかんないこと言ってすみません)


本題に戻りますが、あらすじからもわかるように、これは一種の「両片思い」です。「すれ違い」です。「ケンカップル」です。「付き合うまでが一番楽しいよね」です。そうこれもう少女漫画にめっちゃよくあるやつ!!!


ていうかこの作品、話の枠組みだけを見れば女性漫画誌に載っていても全然違和感ないくらい恋愛少女漫画の王道を邁進しています。
「内心はお互い惹かれあっているのだけど、〇〇が邪魔をして、なかなか………!」ってやつ。
最初はそこまででもないのですが、回を重ねるごとにその要素が深まっています。恋愛漫画に必ずと言っていいほどある「〇〇だけが〇〇してくれた」系のイベントもしっかりおさえてますしね…!!


なので、ジャンルは青年漫画だけど肌によく馴染むというか、ある程度慣れた型に則って話が進んでいるのでわかりやすいし、読みやすいのです。絵も可愛いですしね。



● ただし、設定された障壁が特異

このように型はかなり見慣れたものなんですが、この漫画はそこにはめ込まれているピースが少しだけ特異でした。


主人公たちの間に立ちはだかるのは、ライバルでもコンプレックスでも、自己肯定感の低さでも家族でも年齢でもなく、唯ひとつ、「天才であるが故のプライド」です。
「告白した方が負け」。
2人を阻む己のプライド、負けられない戦いがそこにある!!
あっ 高ぶって読点まで太字にしちゃった。


この「惚れただなんて言えるか!!」感、とてもワクワクするんですよね……
なんかこう、一昔前の少女漫画なら男の子の方は両腕組んで女の子は腰に手を当てて少しにらみ合いつつ背中合わせになってる「お前らもう付き合っちゃえよ〜!」な表紙絵が一度はあるみたいな。
どちらかが「好きです」と言ってしまうだけで崩壊するはずの障壁を前に、全力で空回りする2人の姿は本当に難儀で微笑ましくじれったいのです。



● 繰り広げられる頭脳戦

でもプライドや頭の良さ、あるいは風紀委員ゆえに「恋愛なんぞにうつつを抜かしてられるか」とのたまうキャラといえばまあまあ結構よく見ますよね。


この漫画の目新しいところは、さらにそこから「だから向こうから告白させよう」、からの「自分ならそれができるなぜなら天才だから」という「えっちょっと待って」な境地にまで至ってしまっている点です。


そして勃発する“頭脳戦”────!!


主人公たちは、相手に告白させるために様々な駆け引きを行います。
まるでデスノートのような、息をつく間もないスリル満点ギリギリの命をかけた……













みたいなのではないです。





だって駆け引きって「相手に『一緒に映画を観に行きたい』と言わせようとする」とかだし。あと「相手からLINEのIDを訊いてもらおうとする」とか。


そんなゆるふわなフィールドにもかかわらず、展開される頭脳戦は小気味よいコンパクトな切り返しが多く、丁々発止のやり取りの中で形勢も毎回めまぐるしく変化していきます。また恋愛レベルにおいて2人が完全に対等なのがいいんです。毎回どちらに転ぶか最後までわからない。
語り口の勢いもあいまって、ピタゴラスイッチピタゴラ装置で球がコロコロ転がって何か倒す系の仕掛けのとこでうまいことカタッ、カタッ、カタッっとなってく時のような気持ち良さがあります。



しかも可愛くないですか?
「相手に『一緒に映画を観に行きたい』と言わせようとする」って、つまり「あなたと一緒に映画を観に行きたい」んですよ。もう一緒に行きたくて行きたくて仕方がないんですよ。でもそれ言ったら負けだから頭脳をフル回転させて相手に挑んでいく。
ようするにこの頭脳戦は、拗らせまくった告白の裏返しなんです。
めっちゃ可愛くないですか?



● そもそもの話、登場人物がみんな可愛い

何と言ってもこれ、これかなり大事な話なんですけど、
ほんともう、
この漫画に出てくる子はみんないい子で……!!


「プライドが邪魔をする」キャラって結構ツンの割合が多そうなイメージですが、この漫画のヒロインかぐや様(四宮かぐや)は、まあだいたいふにゃふにゃでめっちゃ可愛いです。
会長(白銀御行)は問答無用で可愛いしカッコいい。何と言っても優しいんや……。
書記さんも会計さんもとにかくみんないい子で……!!


会長は別格としても、かなり女性人気が高そうなのが石上くんですよね……最新刊を読んでさらに好きになりましたね……


石上くんをはじめとして、新キャラが出てくるたびに「今度こそ苦手なキャラかも」と思って身構えるのですが、毎回杞憂で終わっています。完璧な善人ではないかもしれないけど、みんながみんなちょっとずつ優しい。
「なんか……恋愛漫画っていいな……」と久々にしみじみした作品でした。
アニメ化されたら見たいなぁ……。





もし気になった方がいらっしゃいましたら、こちらの公式サイトで1話から5話まで試し読み出来ますので、ぜひ。



連載漫画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』|週刊ヤングジャンプ公式サイト