王様の耳はロバの耳

言いたいけど言えないからここにうずめる

Sexy Zoneが『よびすて』という名曲を出していることを誰も教えてくれなかった

みなさん!!!
Sexy Zoneが!!
とても良い曲をシングルで出しています!!!!


私はファンでもなんでもない外野なんですけど、せっかくなので感想を書きます。ただの一個人の思い込みによる戯言です。




たまたま見かけたテレビCMでなんか5人の男の子がエモそうな感じだったので「嵐の新曲かな?」と思って見ていたらSexy Zoneでした。
その名も『よびすて』。タイトルから即決鷲掴みだし、15秒だけどなんかすごい名曲だったような気がして早速「セクシーゾーン よびすて」でググったんですけど、PVとか!!見られない!!ジャニーズだから!!!
公式でジャケット写真見れただけでもありがたいと思わないといけないですね。仕方ない。



そこでPVはあきらめて直接曲を買おうと思ってiTunesで検索したんですけど、全然!!出てこない!!そっかジャニーズだから!!!
まあ…そんなのわかりきってたことですからね。仕方ない。仕方ない。



しかし私には奥の手があるのです。ドワンゴジェイピー。なんてったってV6ファンなのでジャニーズ楽曲をダウンロードできるサイトはおさえてます。んですけどショート音源しかない!!なんで!?発売したばっかだから!??!
私にはどうしても!!セクシーゾーンの『よびすて』を聴くすべがない!!!!




仕方ないので別件で録画していた「シブヤノオト」を見ました。ちょっと聞きたかっただけなのに、それに辿り着くまでのハードルがあまりにも高い。こんなことでいいのか。アイドルの歌はもっと手を伸ばしやすい場所にいてくれるべきなんじゃないのか。



いや、CD買っちゃったけどさ。



今週MステとかCDTVとか出るみたいだから見たい…。これタイアップついてないのすごく勿体無いなぁ。




さて、Sexy Zoneといえばそのグループ名の意味不明さとキャッチーな楽曲、中島健人さんの突き抜けた王子キャラから私の中では「イロモノ」的なイメージがありました。
グループとしての方向性が見えてこないよりはよっぽどいいと思うので、(運営に対して疑問を覚えた部分はあったものの)個人的にそのイロモノ路線自体は特に間違っているともなんとも考えたことはなかったのですが、デビューから5年、定着したイメージに対する「慣れ」や「マンネリ」は確かにあったかもしれません。



今回の『よびすて』は、そんな彼らのイメージをドラスティックにアップデートする、超・正統派アイドルグループとしてのSexy Zoneの姿を見ることができるのです。




まず曲調はSexy Zone初のミディアムバラードだそうで、私の言葉でたとえるならなんていうか……KinKi Kidsの『ボクの背中には羽根がある』を麺棒で真っ直ぐにした感じですね………
絶対他にもっといいたとえがあるんですけど、ここまで出かかってるんだけど出てこない。歳だから。



“君の名前 よびすてで呼んでみた”
そんなほんの一瞬の気持ちの揺らぎをとらえた歌詞、心がさざめくような哀愁を帯びたメロディ、もう少しあざとく盛り上がってもいいんじゃないかと思うような真っ直ぐな曲展開、そしてCHOKKAKU氏による間違いのない鉄板アイドルアレンジ。
なんだかとっても聴きやすい……。




驚いたことに、今回は途中で「セクシー」とか「好きなんだよマジで!」とか言わないんです。彼らのキャラクターアピールは控えめに、歌が先に立っている。
その結果、アイドルなら一曲は歌ってほしいジャンルランキングがあったら、第3位くらいにはつけそうな見事な正統派青春ラブソングに仕上がっています。




そもそもSexy Zoneといえば、最年長の中島健人さんが22歳、最年少のマリウス葉さんが16歳というまだとても若いグループ。
加えてルックスも非常にレベルの高い美青年・美少年揃いです。
一旦色々忘れて冷静に考えると、真っ直ぐなラブソングを託されるのにはうってつけの正統派アイドルグループなのです。




さらにいうと、今回のSexy Zoneの一番すごいところは「このぴったりな歌と巡り会えた」ことではなく、その一歩先、「この歌を若さや稚拙さで彩らせていない」という点です。
こういう真っ直ぐなラブソングをアイドルが歌うなら、技術的に未熟でも逆にそれが味になるもの。


でも彼らは、その若さに頼らず、これまでに磨いたスキルをもってこの歌を「仕上げに来ている」。これはすごいことです。



このチャレンジを大真面目にこなす彼らの佇まいには、もはや「ファミレスに王子が集団で来てる、白馬で」みたいな凄みと面白みがあります。かっこいいけど笑っちゃうみたいな。かっこよすぎて笑っちゃうみたいな。佐藤さんの唐突な口笛とか、その最たるものです。



彼らが培ってきた、表現力。あざとさ。憂い。二面性。色気。儚さ。その全てが、『よびすて』のパフォーマンスには詰まっているような気がします。
何より、5人が横一列に並んで踊る、その光景が切なくて眩しい。私ほんとこういうのに弱いんです。歳だから。



単なる正統派路線回帰では終わらせない。これは彼らの従来のイロモノ路線を踏まえた、超・正統派路線の第一歩となるのではないでしょうか。




白馬の王子様なんて、現代ではもはやイロモノです。
でも、なんだかんだいってやっぱりかっこいいものはかっこいい。


5年間磨いた武器を携えて、まさかの正統派という路線に乗り込んで来た彼らのこれからがとても楽しみです。